韓国伝統茶?
韓国には、伝統茶なるものがあるとかいう触れ込みを時々見かけます。韓国のパッケージツアーの表紙に、漢字で「伝統茶」と書いた茶店の写真が載ってるのも見たことがあります。その写真をよく見ると、それらしい茶の名前が漢字で書かれていましたが、その中にハングルで「コーヒー」と書いてあるのを見つけてしまって、思いっきり脱力しました。
韓国茶でいちばん有名なのは、おそらく柚子茶でしょう。柚子のスライスを蜂蜜に漬け込んで、それを湯に溶いて飲むものです。私の家の近所のスーパーでは、柚子茶に「韓国では、色の付いた飲み物を茶と呼んでいます」という説明書きがついていて、その明解さがツボにはまり、笑いを押し殺すのに苦労しました。
韓国では生水は飲めませんので、食堂などで提供される「お冷や」は、たいてい麦茶(トウモロコシ茶という説もあり)です。また、韓国伝統茶の紹介ではあまり見かけませんが、御飯を炊いた後の鍋にこびりついたお焦げを湯に溶いて飲む「スンニュン」も、韓国では茶にカテゴライズしているそうです。
しかし茶というものは基本的に「茶の木」の葉を加工したもので、それ以外のものは厳密には「茶外の茶」と呼ばれます。そして今挙げた韓国の「伝統茶」は、ことごとく「茶外の茶」です。
茶は中国で発達し、朝鮮半島へは高麗時代に佛教とともに伝来しました。しかし李氏朝鮮時代に入ると、崇儒廃佛によって佛教寺院は打ち壊され、僧侶は賎民の身分に落とされ、寺に付随していた茶園もすべて荒廃してしまい、朝鮮では一時ほぼ完全に茶文化が根絶させられています。
その後、韓国には1980年代に日本から茶の木が移植されました。ですから、「韓国伝統茶」というものは、1.茶ではないものを「茶」と言っている、2.「茶」の場合は、まだわずかな歴史しかないものを「伝統茶」と言っているという2点で、茶を知るものからすれば鼻で笑うしかないものです。
前述したスーパーでの説明書きのように、「韓国では色の着いた飲み物を茶と慣例的に呼んでおり、日本の茶とは別物である」というのであれば、まだ大目に見る余地はあります。
しかし韓国では、さらに韓国伝統茶道などというものを捏造しております。この「韓国伝統茶道」という代物、完全に日本茶道の劣化コピー以外の何物でもありません。にも関わらず「日本茶道の起源は韓国」などと言い出し始めるに至っては、憤りを通り越して呆れ果てるばかりです。
韓国と韓国人によるこういった浅ましい真似は、別に茶道に限ったことではありません。剣道然り柔道然り、サブカルチャーではありますが漫画もそうです。そう言えば桜も、韓国人によると韓国が起源でしたね。
先日、韓国で捨てられ海外養子に出された子供が成長して、トリノ冬季五輪でメダルを取った途端に、彼の親を名乗る韓国人が大量に現れたというニュースを見ましたが、「自分が捨てた物が他人によって磨かれて高い評価を得たら、途端にそれを自分の物と主張する」という点で、韓国による日本の伝統文化収奪と相通じるところがあると思います。