人権政策室に電凸しました。
いくつか移転してるブログもあるし、そろそろ整備しなきゃなとか思いながら、リンクのひとつmumurブルログを覗いてみると私の住む「枚方市」の文字がありました。
「何だろう?」と思って内容を読んで顎がはずれそうになりました。
以下引用です。
人権課題に関する市民意識調査 2006年(平成18年)12月 枚方市 日ごろからの枚方市政の推進にご協力いただき、誠にありがとうございます。 枚方市では、すべての人の人権が尊重され、心豊かに共に生きるまちの実現に向け、さまざまな施策に取り組んでいます。 (中略) 問16 現在、日本に住んでいる韓国・朝鮮人の多くは、かつて日本の植民地政策によって農地を奪われたりして、日本への渡航を余儀なくされたり、あるいは戦争中に労働力として強制的に連れてこられ、差別を受けてきた人々やその子孫であることが多いといわれています。あなたはこのような歴史的経過をご存じですか。 1.知っていた 2.知らなかった 問16-1 どこでその知識を得られましたか。(○はいくつでも) 1.テレビ、映画で見た 2.新聞、本、雑誌などで読んだ 3.講演会で聞いた 4.学校で習った 5.家族や知人・友人から聞いた 6.その他( ) |
伝王仁墓みたいな範囲の狭い話とは桁が違うお話です。これは何が何でも確認せねばと、枚方市の人権課題に関する市民意識調査について電凸しました。
凸先:枚方市 市長公室 人権政策室 電話072-841-1221 FAX072-841-3039
まず最初にアンケートの「問16 現在、日本に住んでいる韓国・朝鮮人の多くは、かつて日本の植民地政策によって農地を奪われたりして、日本への渡航を余儀なくされたり、あるいは戦争中に労働力として強制的に連れてこられ、差別を受けてきた人々やその子孫であることが多いといわれています。あなたはこのような歴史的経過をご存じですか。 」という質問について、「多い」という表現は、事実誤認ではないかと聞きました。
これに対する回答は、人権政策室としては、事実誤認ではないと判断しているとのこと。
では「多い」とは具体的に何を根拠にされているのかと聞いたところ、一般に言われている戦争初期における募集から官斡旋、そして徴用にいたる流れを根拠にしているが、数字的な根拠は把握していないとのことでした。数字的な根拠を把握されていないのは何故かと聞くと、数字的な資料は文献によって差があるためという回答でした。
逆に相手側から、「あなたは何を根拠に「少ない」と主張されるのですか」と聞かれたので、さまざまな数字的資料を見る限りでは、多いと判断することは出来ないと答えたところ、それは見解の相違になると思うと言われました。
では「多い」と判断されるということは、資料によっては強制連行された朝鮮人の子孫である在日朝鮮人の割合が全体の50%を超えるものがあるのかと聞いたところ、数値的資料は手元に資料が無いと言われました。
こちらから民団の資料をあげたところ、その資料については知っているが、他の資料によって数字も変わるし、学識経験者の意見も異なるので、それだけを根拠には出来ませんと言われました。
私が、この件の学識経験者についてはいくつか本を読んだと言うと、誰のものを読んだのかと聞かれました。とりあえず帰化朝鮮人の鄭大均氏の著書と、日本人の福岡康則氏の著書をあげると、どちらも知らなかった様子でした。
それから「在日朝鮮人に「強制連行された朝鮮人の子孫」が少ないという数字的資料にはどのようなものがあるのですか」と聞かれました。
「多い」と主張する資料においては、私が見た限りにおいては数字的資料を添えて説明されているものは皆無であったのに対し、民団の資料を始め、数字的資料を掲げている資料に関しては、提示されている数値的根拠を見る限りにおいては「強制連行された朝鮮人の子孫である在日朝鮮人」は「極めて少ない」と読み取らざるを得ないということを説明しました。
もしあえてこの設問において「多い」と表現されたいのであれば、具体的な数字的根拠を添えてなされるべきであり、またその回答については「知っていた」「知らなかった」の二者択一ではなく、「その他」や自由意見を記述できるようにしておくべきではないかと言っておきました。
こちらの意見としては、
「私の住む枚方市が在日朝鮮人問題に関して、日本人に加害者意識を植え付け、在日朝鮮人との間に逆差別を促しかねない認識を持っていることは大変問題であり、市民として強く残念に思う」
「もしどうしても今後も引き続きこの質問を残したいのであれば、次回からは「在日朝鮮人は強制連行に由来する人の子孫が多いと言われているが、その割合は次の表の通りである」として、一定の数字的根拠を添えて「多い」「少ない」の判断は回答者にゆだねるべきである」
「百歩譲って提示される数字的根拠に見解の相違があるとしても、見解の相違を承知していながら、アンケートの質問において「多い」という一方的な表現を用いているのはおかしい」
「特定の集団に対する故なき優遇はすなわち逆差別である。在日朝鮮人はその他の在日外国人と比べると優遇されているとしか思えない(これについてもちょっと議論になりましたが、「それは枚方市人権政策室としての公的見解ですか?」と聞くと、「個人的見解です」と答えられましたので割愛します)。在日朝鮮人の中には、こういう強制連行などの問題を盾に社会生活における優遇措置を要求している者がいることも徐々に明らかになってきているのは、昨今のマスコミの報道に顕著である。仮にも人権の名を冠した公的機関がこのような逆差別を助長するようなことがあってはならないのではないか」ってなことを20分ほどお話して、電話を切りました。
この調査は過去2回行なわれており、この質問については経年変化を見るために同じものを設定しているそうです。ただ過去のものよりは輿論を反映して(すみません、これでも反映しているそうですorz)、前回のものより穏やかで幅を持たせた表現にしているとのことです。
ネットでは在日朝鮮人に関していろんな資料が簡単に閲覧出来るようになり、諸説も参照出来ますが、こういう公的機関においてはまだそういうレベルになく、また実際に在日朝鮮人の圧力も皆無ではないという印象でした(アンケートの質問の表現について、事前に在日朝鮮人に「これでよいか」という感じで確認しているようなことをぽろっと言ってました。そりゃ検閲ですか?と思いましたが、そこには突っ込めませんでした)。
在日朝鮮人に関する情報や知識は、今まで検証したり討議したりすることそのものが差別だと言われかねない環境でした。そのため公の機関に所属しておりながら、具体的な知識と認識を持つ人々が多くないというのは、少なくとも枚方市においては事実のようです。
この事実については、枚方市民として非常に忸怩たる思いですが、人権政策室は特定の集団に対して優遇することを目的とするものではなく、実現可能か不可能かは措いて、全ての人々がその権利と待遇においてニュートラルでイーブンであることを理想としているものです。実際筆者とお話された方も、筆者と意見の相違や衝突はありましたが、対立意見であっても、それを聞く姿勢を持っておられました。
電凸してみて思ったことは、やはり知っている人から知らない人へ、機会あるごとに伝えていくしかないということです。知ってる人が知らない人を後ろ指差して笑っているだけでは、何の発展もありません。
そして枚方市の人権政策室の方も、この件について何か良い資料があれば是非教えて欲しいと仰ってました。ですので市民の方でなくとも全然問題ありません。この問題を問題だと思った方、そしてこの問題に詳しい方は、どしどし枚方市人権政策室宛、質問でも資料でもなんでも投げてやってください。
枚方市民の一人としても、お願い申し上げます<(_"_)>