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似ていても非なるもの

似て非なると言えば色々ありますが、タイリクオオカミ(以後オオカミと略します)とイエイヌ(以後イヌと略します)も、似て非なるもののひとつです。これらは、同じイヌ科イヌ属に属します。

オオカミはイヌ科イヌ属タイリクオオカミ種であり、イヌはイヌ科イヌ属タイリクオオカミ亜種だそうです(この分類は学者によって異説があるようですが、いずれにしても極めて近い種であることは間違いありません)。

これらは外見もよく似ており、相互に交雑も可能で、しかも交雑で生まれた子は生殖能力を持ちます(交配可能でも、生まれた子が生殖能力を持たない一代雑種になる動植物は多い)。

これだけ種として近ければ、オオカミとイヌは同じように扱われるべきでしょうか。

答えは当然に否です。オオカミは通常野生で、厳しい自然環境の下に暮らし、自ら食料を調達する必要があるため、身体能力に優れております。イヌは家畜化され、人と協調して暮らしていくために、オオカミと比べると身体能力が制限あるいは改良されています。もちろん性格も同様です。オオカミは人に馴れず、イヌは人によく馴れます。

いくら種が近くとも、オオカミにはオオカミの生態があり、イヌにはイヌの生態があります。その群れには、それぞれの文化やルールもあるでしょう。

もし野生のオオカミを捕らえてイヌと共に飼うならば、あるいはその逆に、人が飼っていたイヌをオオカミの群れに放り込むならば、個体によっては順応するものがあるかもしれませんが、ほとんどは、不幸な生き方、あるいは不幸な死に方をすることになると思います。

同時に、野生のオオカミが入ってきたイヌの群れや、人に飼われていたイヌが紛れ込んだオオカミの群れには、少なからぬ衝撃や混乱が生じるでしょう。それは当然、双方に好ましからざる衝撃や混乱です。

オオカミは、幼獣の頃から飼うとイヌ同様に人に馴れると言われております。しかしいくら馴れていても、ある日突然、その野生を発現させることもあるそうです。そうなれば当然、人間とその家畜にとっては、非常に危険な存在となります。

イヌの場合は、寡聞にして記録を見たことがないのでどうかわかりませんが、身体能力的に劣るイヌの子を野生のオオカミの群れに放り込み、仮に群れに受け入れられたとしても、そのイヌの子がオオカミとして順調に成長するかどうかはかなり難しいと思います。

オオカミとイヌが交雑可能なため、世の中にはオオカミの血が混じったイヌ、いわゆる「ウルフドッグ」を作出する人がいます。もちろん、それを野生種として繁殖させるわけではなく、家畜として作出するわけです。しかし「ウルフドッグ」は、オオカミの血の割合が濃ければ濃いほど野性味を強く持ち、容易に人に懐かないと言われます。

人為的に作出されたウルフドッグは、オオカミでもなくイヌでもない中途半端な存在です。愛玩用あるいは使役用の家畜として、人やイヌその他の家畜と暮らすことはかなり困難ですが、かと言って、野生のオオカミに混じって生きていくことも難しいでしょう。しかし、ウルフドッグに野良犬になられた日には、その優れた身体能力ゆえに、人間にとって恐るべき脅威になることは確実です。

神様の悪戯で偶然そうなってしまったというなら話は別ですが、人間が意図的に、似ているから、種が近いから、交雑可能だからと言って、異なる種をみだりに同様に扱うことは、それらの種に対する虐待と言っても良いかも知れませんし、それを扱う人や社会にも不幸をもたらすことがあります。

似てはいても、それぞれが異なる種であること、それぞれの種が異なる性質や性格を持つということ、そしてそれぞれの種に相応しい環境が異なるということを、それらに関わる人は常に正しく理解する、あるいは理解しようと努めるべきでしょう。

それは何も、オオカミとイヌに対する場合に限ったことじゃないと、私は思います。



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