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「ただの人」の反日

昨日、アニメ「めぐみ」を視聴しました。北朝鮮による日本人拉致の概略をよく知る人も、まったく知らない人も、是非一度ご覧になることを強く推奨します。なお、アニメは無料でダウンロードが可能です。ダウンロードはこちらから。

前半の、何ということのない、どこにでもある平凡な家庭の、本当に極めて普通の幸せと生活は、おそらく、多くの日本人が自分の人生における一ページを重ね見ることだろうと思います。北朝鮮に拉致されたのは、もしかすると自分や自分の係累であっても、何の不思議も無かったのだということを、私たちはこのアニメを見ることで深く実感し、理解できるのではないかと思います。

なお、以前から幾度か述べておりますが、北朝鮮と韓国は、その標榜するイデオロギーが異なるだけです。基本的に同じであると考えた方が間違いがありません。むしろ、北朝鮮と韓国を「それぞれ別の国」と考えることで生じる誤解や齟齬の方が大きいと思います。

さて、話は変わりますが、日本人の知韓派と言えば、やはり筆頭は産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏だと個人的には思っています。が、新装版ソウルの練習問題 (集英社文庫)の著者、関川夏央氏も、その候補に挙げたい人物の一人です。

ただ、関川氏の場合は、一般的な知韓派とは少々趣きを異にします。氏のスタンスは、何処まで行っても日本に軸足を置いたもので、黒田氏のように肩までどっぷり韓国に浸かったものではありません。その分、普通の日本人には比較的取っ付きのよい作品を著しておられると思います。

その関川氏の著書のひとつに、「ただの人」の人生 (文春文庫)という本があります。

これは19編の、著者曰く「物語」を集めたもので、特に主題を韓国に限った本ではありません。エッセイのような、小説のような、ドキュメンタリーのような、それでいてそのどれにもカテゴリしづらいような、そういう文章たちを集めたものですが、その中に本のタイトルでもある「「ただの人」の人生」という文章があります。

これは、朝鮮日報の主筆を務めた鮮于煇(せんう・き)氏について書かれたものです。現在、朝鮮日報で時々軽度の電波記事を書いている鮮于鉦は、煇氏の息子ですが、日帝支配時の朝鮮で生まれ育ち、朝鮮戦争に大尉で従軍した父親のリアリズムに、息子の筆は遥かに及ばないと思います。

それはともかくこの「「ただの人」の人生」には興味深いくだりがいくつかあります。中でも個人的に一番印象に残っているくだりを、以下に引用します。

 一九七五年頃、鮮于煇の勤める朝鮮日報社では他社にさきがけてカラー印刷機を日本から買い入れた。機械取付けのためにやってきたのは、ふたりの三十歳前後の、平凡なおとなしい日本人技術者だった。
<ところが何日か経って、その二人の日本人青年が何故夜間作業をしませんかと言ってきたそうである。社の担当幹部は、「いや、それはあんた達のことを考えての事だ」と言ったところ、二人の青年は、「わたし達はちっとも構いません」ということで「それでは」とその日から夜間作業を続け、予定よりも早く印刷機を取付けることが出来たのである。滞在費はこちら持ち、若い者が遊ぶには絶好の時期でもあった。しかし夜間作業を続けて仕事を終えた二人の日本人青年は、その気色もなく日本にもどって行った>(「朝鮮日報の主筆室から」「諸君!」一九八〇年四月号)
 担当者はむろん、朝鮮日報の幹部たちもこぞって日本人を見直した。
<しかし、私まで含めてあの時彼等に感心した社の幹部達が、子供達から「日本人てどういう人達?」ときかれた場合、真先にあの感心な二人の日本青年のことをいい聞かすとは、チョット考えられない。おそらく、「いい人達、わるい人達?」と聞かれたら「それはわるい方だな」と答え、「どうして」といわれると「三十六年間もこの国を植民地にして散々わるいことをしたから」といい、「それだけ?」と追及されれば「六・二五(朝鮮戦争)の時はこちらが生きるか死ぬかの戦いをしながらウンと苦労しているのに、自分達は商売でタンと金をもうけている」といい、延々と恨み言を続けるに違いない>

1975年頃と言えば、私の元上司も添乗でしばしば渡韓したそうですが、毎回苦痛だったと言います。何が苦痛だったかと言うと、食事がとことん合わなかったそうです。とにかく辛いし臭いし、ご飯は麦飯で不味いしで、満足に食べられる物がなく、いつも日本からふりかけを持って行ってしのいだと言います。

この話に出てくる日本人青年もおそらくそういう事情で、早く帰りたかっただけだったんじゃないかなという邪推はさておき、彼らの仕事に対する姿勢は、日本人としてはそれほど驚くべきものでも何でもありません。昼間の機械設置作業は、日常業務との兼ね合いで滞りも多いでしょうから、夜間の邪魔の入らない時間帯に作業をしたいと考えるのは、技術者であれば普通じゃないかなと思います。

興味深いのは日本人のそういう仕事に対する姿勢に感嘆した韓国人が、「日本人ってどういう人達?」と子供に聞かれた時の一般的な反応です。この文章に描かれた反応は、極めて正直で率直だと思います。今、韓国人にこういうことが書ける記者というのは、どれほどいるでしょうか。

日韓チャットでもそうですし、Enjoy Koreaなどを見ていてもそうなのですが、「韓国は反日ではない」と主張する韓国人は、かなり多いというのが実感です。彼らは、日本文化は好きだし、日本人は親切だと思うし、日本に行きたい、出来れば留学したい、就職したい、居住したいと思うから反日ではないと言います。

ところが、日韓チャットでそういう韓国人をちょっと突付くと、「やっぱり日本人だね!!!」と言うのです。その「やっぱり」の部分を、彼らは自覚しません。「日本人はわるい」という意識は濃厚に維持したまま、そういう意識を持っているという意識が希薄になっているのです。

これでは、彼らから反日意識が払拭されることはありません。本人達が無いと思っているものを、無くすことは出来ないからです。

韓国人から反日意識が払拭されないということは、あまり問題ではないと言うか、むしろ日本人にとっては歓迎すべきことではあります。しかし反日意識を持っているという意識が希薄なままに「韓国は反日ではない」と主張する韓国人が増えることは、非常に問題だと思います。なぜなら、それを信じてしまう日本人が多いからです。

関川氏の書く「ただの人」とは、言葉どおりの「ただの人」です。取り立てて優れた能力を持つわけでもなく、高い地位についているわけでもない、社会の圧倒多数を占める平凡で普通の、接する機会が最も多い人々でもあります。

韓国では、その「ただの人」が、自らの潜在化した反日意識を忘れている人々であるということを、私たちは知っておく必要があると思います。



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