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自らの無知に無自覚で良心的な日本人のサンプル

前回の記事に以下のようなコメントが入りましたので、今回は日韓チャットや韓国人のお話ではなく、思いっきり日本人についてのお話です。


初めて投稿します。
今回の竹島に関するデモと少しかぶるんですが、たかじんの某番組で、山本太郎氏が、発言したことをどう思われますか?
出来たら山本太郎氏のブログの謝罪文も含めて読んでもらいたいのですが。

2008.07.22 01:57 | 名無櫓 URL [Edit] Page top △


私は関西在住ですが、テレビはほとんど見ません。ですから、関西で放映されている「たかじんの某番組」も見ておりませんでしたし、さらに「山本太郎」氏なる御仁がいかなる方なのかも、失礼ながらまったく存じ上げませんでした。

わからないことは速やかに検索するように心がけておりますので、とりあえず検索してみました。まことに便利な時代になったもので、たちまちヒットしたのがこちらです。次いで、山本太郎氏なる方のブログもヒット。

見て思ったのは、あらゆる友好や平和について、無条件で良いことだと思っている日本人が多いなあということです。そういう人の前では、あらゆる友好や平和について疑うことさえ許されません。もし彼らが謳う友好や平和の手放しの賛美に、一片でも疑問を呈すれば、それだけで猛烈に非難されかねません。

今回の「たかじんの某番組」における山本氏の発言もそうですし、例えば、先だっての加藤紘一氏の暴言も、然りです。

加藤氏の暴言は「日朝国交樹立」や「日朝友好」のためならば、日本人の犠牲者が出てもしかたないと思う日本人が多いであろうことを計算した上での発言でしょうし、山本氏の発言は「日韓友好」や「国際平和」のためなら、竹島がどこにあってどういう意味を持つのか全然知らないけど、それぐらい韓国にくれてやっても良いじゃないかと思う日本人が少なくないということを示唆しています。

どちらも、自分自身の腹が痛まないことが当然の前提であることは言うまでもありません。さらに加藤氏の場合はおそらく日朝国交成立に絡む利権が、山本氏の場合は「日韓友好を願う平和主義の国際人」という自らに対するイメージアップが、そう発言することによって狙えるという計算があったのでしょう。

加藤氏は、いわば確信犯ですが、山本氏は違います。彼は普通に無知で、普通に利己的で、普通に偽善者で、そのいずれに対しても無自覚な、普通に日本に溢れている日本人だと私は思いました。そういう意味では、某朝日新聞の某若宮啓文氏が同じようなことを言ってはおりますが、それとは大きく異なります。某若宮啓文氏は、どちらかと言えば確信犯の方でしょう。

山本氏は「人の嫌がることをしてはいけません」「誰とでも仲良くしましょう」という教育を受け、支那人や朝鮮人を悪く言えば、どのような理由があろうともそれは無条件で差別だと思い込まされ、日本はかつて戦争を起こしたことを永遠に反省し続けなければならないと言われ肯い、また自らも言い、かつての日本人=自分の先祖を卑下することが反省の表現だと思っているのでしょう。

もし山本氏に「竹島を韓国にあげることは出来ないが、あなたの全財産なら、あなたの意思で韓国にあげることが出来る。あなたが「竹島を韓国にあげろ」と言うならば、ここはひとつ、日韓友好のために「竹島の代わりにはならないかもしれないが、日韓友好を心より願う一日本人からのささやかな気持ちとして、是非受け取ってくれ」と言って、あなたの全財産を韓国政府に進呈しては如何か」と言えば、おそらく氏は血相を変えてかぶりを振るでしょう。何故自分がそんなことをしなければならないのかと。

山本氏のブログにある謝罪のつもりらしき記事には「日頃から竹島問題を深く考え、人生のほとんどの時間をそれに費やしてる方々、歴史家や、竹島近海で操業されている漁業関係者の皆さん」などという文言があります。これは明らかに氏の「日頃から竹島問題を深く考え、人生のほとんどの時間をそれに費やしてる方々、歴史家や、竹島近海で操業されている漁業関係者の皆さんのような特殊な人たちとは違って、俺たち普通の日本人にとって、竹島など人生にも生活にも無関係だし、そんなものに時間や意識を割くほどヒマでも酔狂でもないんだよ」という意識が見て取れます。

そのくせ日本に対して「大切な収入の半分近くを税金で納める者として憤りを感じ」ている辺りが、何とも「らしくて」失笑を誘います。自分の懐が痛むことには憤りを感じても、自分の大切な収入の半分を納めている国の国土を、他国にやってしまえと言うことには、何らの矛盾も疑問も感じていないのです。

氏は謝罪のつもりらしき記事の中で、「民主主義国家日本の基本、言論の自由」云々と書いていますが、自由には常に責任が伴います。自身を「不勉強な兄ちゃん」だと言うならば、まず番組内でそのことを最初に断ってから言うべきであったでしょう。

もし氏が最初に「自分は不勉強な兄ちゃんで、竹島問題については全く無知で、その島の位置もその問題の意味も、過去も現状も何も知らないし、今まで知ろうと思ったこともないし、これからも知るつもりはない。だから今から言うことは、目を開けて寝ているただのバカの寝言と思って聞いてくれれば良いです」と断ってから発言していれば、哀れまれることはあっても、さほど叩かれはしなかったと思います。

誰がそう決めたのか知りませんが、氏は番組中の自らの位置を「沢山の有識者に混ざり、僕が座っていたポジションは、あまり物事を知らずとも許される場所」だったと言います。しかし何も知らずに見ている視聴者にしてみれば、「沢山の有識者に混ざ」っているからこそ、山本氏も有識者の一人と思いかねない場所でもあったはずですし、そのことを氏がまったく意識していなかったとは言わせません。

日本を「何に関しても詰めが甘く、全て後手後手にまわり周辺国家からも信頼が無く、先進国と呼ばれながらも、なんのリーダーシップも取れない情けない国」と罵り、「この国がケジメを取って来なかった代償を身を持って支払えば、これから意識が変わって行くかも知れぬと安易な考えに至り、あの様な発言となった」と言っていますが、意識を変えるべきは、国よりもまず己であることがすっぽりと抜け落ちています。

輿論に対する影響力の有無という点では、一般市民より大きな力を持っていますが、権力を振るう立場にないという点では、山本氏は一般市民と同レベルだと思います。氏のように、無知であることに無自覚でありながら、自ら良心的であることを自負している日本人が、現在の日本における最大派閥なのではないかと思います。

私は、無知そのものは責めません。人は誰でも最初は無知ですし、神ならぬ身であれば全知になることは不可能だからです。しかし無知を自覚する機会があるにもかかわらず自覚しようとせず、あるいは自覚してもなお無知であり続けようとする輩は責められるべきだと思います。何故なら、そういう輩こそが、加藤氏のような、権力を持った確信犯を育て支えるからです。

今回の山本氏については、自分自身が無知であることを自覚しようとせず、少しでも知るための努力をしない者は、「大切な収入の半分近くを税金で納め」ていながら、その国の国土を、他国の侵略に任せるばかりではなく、自ら進呈してしまおうなどという、底抜けに大馬鹿な発言をしてしまうことがあるという格好のサンプルになってみせた点だけが、評価出来ると思います。

あとは、氏の発言を「大馬鹿な発言」と理解出来る日本人が一人でも増えることを願うばかりです。



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