歴史に学べ
私は何故かこれを「ないゆ・げかん」と読んでしまいます。確か中学生ぐらいの頃にそう習ったようなおぼろな記憶があるのですが、ネットでどれだけ調べてもそんな読み方は出てきません。
麻生首相が「未曾有」を「みぞゆう」、「踏襲」を「ふしゅう」と読んだと言ってマスコミが大喜びで触れ回っていますが、「内憂外患」を「ないゆ・げかん」と読んでしまう私は、麻生首相の読み間違いを笑う気にはなれませんでした(ちなみにgooの辞書で確認したところ「ないゆう・がいかん」が正しい読み方のようです)。
ところで内憂と言えば、日本の民主党が、政権交代を目指して、韓国に協力を求めたというから驚きました。どうせまたネタか煽りだろと思ってソースを当たって再びビックリ。ガチのムチのマジでした。
韓国の議員を招いての意見交換ですから、「韓国からご声援を」と言うぐらいなら理解するにやぶさかではありません。しかし「ご協力」ですよ、「ご協力」。
日本の政権交代に韓国の協力を仰ぐって、マジでどこの国の政党ですか?>民主党
さて外患の方ですが、近代日本史における十大事件に必ずランクインするであろう事件のひとつとして、日清戦争があります。
この戦争については、小中高とあまり詳しく教わった記憶がありません。と言うか、近代日本史における戦争はすべて日本の軍国主義を強調し、それを非難するような内容ばかりだったような印象があります。もっとも私が「はいはい、悪いのは日本、日本」と、授業を聞き流していただけなのかもしれませんがw
この戦争は、朝鮮における壬午軍乱を遠因とし、同じく朝鮮の東学党の乱を経て勃発することになります。要するに日清戦争とは、日本と清国との戦争でありながら、その原因は朝鮮の破綻した国情でした。
あれから百有余年を経た今日、再びこの悪夢が甦ろうとしています。
12月12日、韓国の経済危機に対して、日本と中国が韓国とのスワップ枠の拡大を行なうことになりました。これについては、日中双方が韓国に対する影響力を牽制しあった結果ではないかという分析があります。
以前も櫻井よしこ氏が「韓国の危機、中国が支配確立か」と題して、中国の韓国に対する影響力増大を懸念しておられたように、中国が韓国に対する影響力を強めることは、日本の安全保障上大きな問題であると考える日本の有識者は少なくないようです。ですからおそらく、今回の日韓スワップ枠の拡大も、その辺りの思惑が多少は絡んでいるのでしょう。
今回の日韓スワップ枠の拡大を憤る嫌韓派は少なくないと思います。しかし私は個人的には、日韓スワップ枠拡大そのものについては、あまり悪くは受け止めてはおりません。
と言うのも中央日報の記事にも言及がありますが、日韓スワップで日本から韓国に円を渡せば、韓国は円をそのまま使うか、あるいは円を売ってドルを買わざるを得ません。韓国が円を売ってドルを買えば、日本としては為替市場に直接介入せずとも、過熱した円高を抑制する効果が期待出来ます。
逆に韓国にとっては、現在の状況でスワップ枠の安易な利用は諸刃の剣です。どうも中央日報の記事のニュアンスではスワップを「日本からの資金援助」と勘違いしているのではないかと思われるような書きっぷりですが、スワップは自国通貨を担保に行なう借金です。
単なる債務者が多重債務者に陥るのは、借金を借金で返そうとすることから始まります。韓国がスワップ枠を利用することで経済破綻を先送りにしているのは、借金で借金を返済しているのと同じです。それほど長い目で見ずとも、確実に韓国自身の首を絞めることになりますので、嫌韓派の私としては日韓スワップ枠拡大そのものにはさほどに強い抵抗がありません。
しかし今回私が個人的に強く問題視するのは、「日本と中国が、破綻しかけている韓国に対する影響力を牽制しあう」ということです。この図式は、あまりにもかつての日清戦争前夜に酷似しております。
あの戦争を経て、日本は朝鮮と深く関わらざるを得なくなり、とうとう最後には日本史上痛恨の失策とも言うべき日韓併合に至ってしまいます。
歴史は繰り返すと言いますが、同時に私たちは歴史から学ぶことも出来ます。
確かに中国が朝鮮半島での影響力を強めることによって、日本に対する脅威が増すことになるかもしれません。しかしその脅威を回避するために日本が朝鮮を支え援けたことで、日本は100年を経てなお拭い切れないダメージを受けました。それを鑑みると、朝鮮半島に絡んで日本が中国と牽制を交わすことは、私には非常に危険な徴候に感じられます。
日本は今一度、歴史を振り返って、韓国に対する態度を決するべきではないかと思います。