日本に帰化するということ
と言うと、「朝鮮人が日本に帰化することを認めるのか!」と非難がましい口調で言われることが幾度かありました。
確かに、これまで何度か述べてきたように、何代日本に住んでも朝鮮人は朝鮮人だと思います。それどころか、ほとんど日本人血統なのに、何分の一か朝鮮血統が入るだけで、全身全霊で朝鮮人になってしまう例さえ、いくつか見たことがあります。
張景子にしても、白眞勲にしても、日本に帰化していながら結局は朝鮮人かと思う言動をする帰化日本人はいます。そんな連中に対する嫌悪と、そんな連中が日本に増えることを憂慮する感情は、もちろん私にもあります。
だからと言って「朝鮮人である」という理由だけで日本への帰化を拒むことは、現実問題として可能でしょうか。
日本では、どれほど嫌韓が台頭しようと、「朝鮮血統を持つ者には帰化の権利を与えない」などと条文に明記することは出来ないでしょう。生まれながらにその国の国籍を持っていても、血統上敵国の人種ならば問答無用で強制収容所へぶち込んだり、64分の1でも黒人の血統が混じっていれば黒人とみなすことを法律に明記している国のような真似は、日本には絶対に出来ないと思います。
ならば帰化を希望する外国人には、日本人以上に日本人となることを求め、帰化した以上血統が何であれ思想がどうであれ、徹底的に日本への忠誠と日本人としての義務と責任を求め続ける方が、よほど現実的ではないかと思うのです。
たとえ便宜のためであろうと、帰化日本人は、基本的には全て自ら望んで日本人となった人です。故に、生まれながらに、本人の希望の有無とは全く無関係に日本人で、そのために日本人としての意識が薄弱な日本人などよりも、ずっと日本人たるべき意識を強く硬く持っているはずですし、また日本国と国民から、そうであることを強く求められるのも当然でしょう。
もちろん、かつての祖国に対し、好意や共感を持つのは各人の自由です。生まれながらの日本人でも、ある国に強い好意を持ち、「ドコソコ国は俺の第二の故郷」と言う人はいるでしょう。「だから俺は、日本とドコソコ国の友好のために尽力したい」と言う人もいるでしょう。そう言ったからとて、直ちに「さてはお前、ドコソコのスパイだな」などと言う人はいないと思います。
しかしそう言う日本人がドコソコ国の利益のために、あえて日本国の不利益になるようなことをすれば、これは立派な売国行為です。本人の意識や実態がどうあれ、スパイと呼ばれるに相応しいと思いますし、日本国と国民から強く非難され、程度や場合によっては処罰の対象とされるべきだと思います。
それと同じことを、帰化日本人にも求めれば良いだけのことだと思うのです。
かつての祖国に好意や共感を持つことまでは咎めないが、日本とかつての祖国の間に利害がある場合は、疑うことなく迷うことなく日本の利益を優先するのが、帰化日本人ならば当然です。何しろ彼らは自ら望んで帰化した日本人なのですから、生来の日本人よりも更に強くそれを求められるべきでしょうし、日本に帰化した当人も、他人から求められるまでもなく、その姿勢を明確に周囲に示すべきです。
しかし現在の日本では、「帰化したとはいえ元々朝鮮人だから」という主張が、何故かまかり通ります。これは帰化日本人側が一方的に主張するだけではなく、在来日本人側も、それを認め受け入れてしまっています。
生まれながらの日本人が反日的な言動をしたり、主義主張や行動がどれほど朝鮮人のようであっても、決して「国籍や血統は日本人でも、思考が朝鮮人だからしかたない」などと言わないでしょうに、元々が朝鮮人の帰化日本人に対しては「国籍が日本でも、血統が朝鮮人だからしかたない」などと言って納得してしまいます。
それではその帰化日本人は、いわゆる「在日特権」を持ったまま、日本国籍も得られたようなものです。それを日本人側から認めてしまってどうするのでしょうか。
日本に帰化する以上、生まれながらの日本人よりも強く深く硬い日本への忠誠の提示を求めるべきですし、それを拒否する外国人は、日本への帰化を認めないと宣言することは、たとえ日本であっても十分可能なはずです。
ところが現実は真逆です。
かつては、帰化に際し日本への帰化を希望する作文(帰化の動機書)を、申請時に係員の前で音読する必要があったと言います。しかしそれは、朝鮮人などの特定外国人にとっては極めて屈辱的であるということで、現在音読は行なわれなくなっています。更に特別永住資格を持っていれば、その作文の提出さえ免除されます。
つまり現在の日本では、帰化を受け付けるに当たって、その外国人の日本に対する忠誠心など、全くと言って良いほど確認していない=求めていないのです。
それで反日意識を濃厚に持ったままの朝鮮人が日本に帰化しまくってると言っても、これは朝鮮人側の問題と言えるでしょうか。私はそうは思いません。結局は日本人側の意識の問題だと思います。
先にも述べましたが、日本において、特定の国家の国民であることを理由に帰化を拒否すると明記した法律を作ることは、まず不可能でしょう。しかし反日思想や、日本に害意を持つ者の帰化を拒むことならば、十分に可能なはずです。帰化を希望する以上、その条件に日本に対する絶対的な忠誠の提示を求めることを法律に明記し、その確認を実行することも、決して不可能ではないはずです。
日本に帰化するということは、そういうことであるということを誰よりもまず日本人側が強く意識し、帰化を希望する外国人に対しては、断固としてそれを要求し続けることこそが重要なのであって、感情論で「朝鮮人の帰化など認めるな」と叫ぶことは逆効果になることはあっても、得られるものは皆無だと私は思っています。