韓国を知らないということ
この報道でまず驚いたのは、韓国の消費電力量がかなり大きいということでした。それが韓国全土の電力消費量なのか、それともソウルとその近郊だけなのかはよくわかりませんが、同じ時期の東京電力管轄(おそらく日本で一番電力消費量が多い)と東北電力管轄の消費電力量を足したぐらいの消費電力量でした。
韓国では、電気料金が非常に安いと言われています。日本の約半額だそうです。
もっとも韓国の電気料金は、税金からかなりの補填をされているという話も聞こえてくるので、実質的にはどうかわかりません。が、少なくとも表面上は、日本より電気料金が安いということになっています。だから韓国人的には、電力消費が多くてもケンチャナヨなのでしょう。
そもそも節約という行為は、日本人にとっては美徳ですが、韓国人にとっては嘲笑すべき小人的な行為です。だから彼らは、浪費を非常に好みます。手持ちのカネがなければ、借金してでも浪費する韓国人は極めて一般的ですが、その感覚は電力に対しても同様なのでしょう。
それに実は、高い発電能力を有する発電所を持っていれば、電力消費が多くなるのは電気会社にとっては歓迎すべきことです。電力が消費されればされるほど、電力会社は儲かるのですから、消費電力が多いことが即ち悪いこととは言いません。
ですが電力というのは基本的には作り置き出来ません。大量に発電しても大量に使ってもらえなければ、余った分は無駄になります。だから発電所が、毎日どころか毎時、消費電力量を細かく予測し、それに対応した発電を行なっているということは、震災の影響で発電所がダメージを受けた今夏、大幅な節電を求められた日本人には広く知られていることでしょう。
今回の韓国の大規模停電は、電力会社が消費電力量の予測を誤ったことが原因と言われています。
「8割でパペクト」(パペクト=perfectの朝鮮語発音)の彼ららしいと言えばそれまでですが、電力は近代社会の血液のようなものですから、それが一時的であっても停まるというのは、社会の機能が停止することに近いので、大変なことです。
それがまだ電力の普及が行き届いていない国や地域の話であれば、さほどの影響もなかったでしょう。そういう国や地域によっては、停電が日常茶飯というところもあると聞きます。が、安定供給と大量発電大量消費が常態になっている韓国では、少なからぬダメージがあったようです。また、停電に乗じて犯罪に走る輩も少なからずいたと報じられておりました。
文明の利器は、確かに便利です。しかし同時に、それを使う者にも一定の能力と分別を求めます。文明の利器は便利であればあるほど、その性能が高ければ高いほど、用いる者が運用を過てば一転、恐るべき凶器となって私たちに牙を剥きます。その事例は豊富にあり、私が提示するまでもなく、誰でもひとつやふたつは、たちまち思いつくでしょう。
韓国製品は、何であれスペックだけを見ると非常に品質が高く表示されています。しかも、価格は同程度の性能を持つ他社・他国製品よりも遥かに安いことが多いのです。これはかつて私自身、SOTEC社製のPCを買ったことがあるので実感出来ます。
しかもそれは韓国製品だけではありません。韓国人もそうです。韓国人で構成される韓国という国家そのものもそうです。表面上のスペックだけは非常に優れているように見えます。彼らは必死でそのように見せかけ、あるいはそう主張しています。しかし実際の中身はどうでしょうか。
韓国では電力が安いとか、韓国の原発は日本よりも高品質で安全確実に運用されているとか、だから韓国から電力を輸入しようとか、韓国に会社の主要機能を移転しようとか、いっそ会社全体を韓国に移転しようとかいうことが、実はどれほど危険なことか、日本の基準でも満足出来ない日本人が、韓国の基準で満足出来るのかといった、ほんの少しでも韓国を知っていれば誰にでもわかることが、日本の政治家や経団連や大企業のエライさんたちにはわからないのか、わかった上でそういうことを言ってるのか知りませんが、その矢面に立たされるのはそういうことを言ってる彼らではなく、常に現場の人々なのです。
まことに、韓国を知らないということは危ういことだと思います。更に韓国を知らない人に、韓国の上っ面を、韓国人が期待する通り、あるいはそれ以上に評価し、それを私たちに推奨する(というか押し付ける)人々は、私たちを危険に追いやる人々でもあるということを改めて考えさせられた韓国大規模停電の報でした。