fc2ブログ
管理画面

異なるのは表皮だけ

金正日が死んだおかげで、このところの日本では北朝鮮関連に対する注目度が上がっているようです。滅多にテレビを見ない私がたまたま出先で見かけたテレビ番組でも、北朝鮮関連の特集をやっているのを目にしました。

ただやはり、北朝鮮に関しては情報ルートが極めて限られている上に、恣意的な情報操作(撹乱と言っても良い)を狙っている者がいるようで、発信された情報は、たとえ大手メディア発であっても、内容の吟味にはかなりの注意を払わなければならないと感じました。

現在の日本では、「北朝鮮は秘密主義のベールに覆われた謎の国」というのが一般的な印象でしょう。多少知ってる人でも、独裁者一族に恐怖で支配され、虐げられ、搾取され、あらゆる自由を制限された満足に食べることも出来ない可哀想な人々の国、という印象でしょうか。そのためか、「北朝鮮の金一族は嫌いだけど、北朝鮮人民は嫌いじゃない」とか、酷いのになれば「北朝鮮の解放のため、北朝鮮人民と共闘出来る」などという日本人は結構いるようです。

韓国人が、実はかなりの親日であるということはこれまで何度も述べてきました。同時に、彼らが単純明快な親日ではなく、非常に捻じれた反日意識を合わせ持っていることも、ご案内して参りました。韓国でそうだということは、北朝鮮も同様であると私は考えております。

北朝鮮には、かつて帰国事業によって元在日が約10万人も帰国しました。今となっては、帰国した人の多くが亡くなっているでしょうけれど、帰国事業によって北朝鮮に戻った元在日朝鮮人たちは、帰国同胞(略して帰胞(キポ))と呼ばれ、被差別的な存在でした。

日本で在日が受ける差別など、彼らが北朝鮮や韓国で受ける差別と比べれば、言い掛かり以外の何ものでもありません。しかも彼らは、日本で受ける差別ならば、目が合った(大阪弁では「メンチ切った」)程度のことでも声高に差別を受けたと喚き散らし、謝罪と賠償を求めますが、不思議なことに本国である北朝鮮や韓国では、あからさまな差別を受けても、たいてい泣き寝入りするようです。

そんな被差別対象である帰胞そのものが、北朝鮮人の親日感情の根源でないのは当然です。北朝鮮人の親日感情の対象は、帰胞がもたらす日本製品でしょう。

私が初めて韓国を訪れた20年ちょっと前であれば、韓国人へのお土産はタイガーの炊飯器が良いと言われていました。山口県の下関と、韓国の釜山をつなぐ関釜フェリーには、ほとんど船内に住み着いている状態の担ぎ屋のおばちゃんたちがおりましたが、彼女らは判で押したようにタイガーの炊飯器の箱を抱えておりました。釜山の国際市場には、新旧大小を問わず、日本製の家電を売る店が多かったのを覚えています。

他にも、日本のマンガ雑誌や芸能関連の雑誌の古本が韓国で、日本円換算にすると一冊約600円ほどで売られていたのを見たこともあります(もちろん、日本文化開放前の話です。それを見て、「マンガ雑誌の古本なんかタダみたいな値段で手に入るんだし、それを韓国で売ったら大儲け出来るんじゃね?」とか思ったのは余談ですw)。

日本ブランドへの憧れは、家電やマンガに限りません。1970年代に韓国に駐在していた人の手記を読むと、日本製の醤油(キッコーマン)が、韓国では大変人気が高かったと言います。

それらは決して昔話ではなく、現在でも日本の有名メーカー製家電を始めとする日本製品は、韓国で大変人気の高いブランドです。そう言えば日本で作出されたイチゴなどの農業品種も、韓国では大人気でしたね。

日本と国交があり、大量の物品が日常的に正規ルートで輸入されている韓国でさえそうなのですから、国交がなく、輸入ルートも量も限られる北朝鮮では、日本製品に対する憧憬は更に高いようです。帰胞の親族や祖国訪問の朝鮮学校修学旅行生によってもたらされる日本製品は大変な貴重品であり、被差別対象であるが故に収入の途が限られている(北朝鮮の食糧配給制度は既に事実上破綻しており、北朝鮮人民は食べるために、本来であればご法度の商業的活動を行なっている)帰胞たちの、日々の食料購入や医療費、薬代、賄賂などに活用されていると伝え聞きます。

また北朝鮮の独裁者である金一族の日本志向も大変高く、金正日の専属料理人が日本人であったことはよく知られていますし、金正恩の母が、本来であれば北朝鮮では被差別対象であるはずの元在日であったことは公然の秘密でした。金正日の家族が日本を度々訪れていたことも判明しておりますし、そう言えば金正日の好物に日本産のメロンがあったことも、一時期話題になっておりました。

それほどまでに北朝鮮人が日本や日本の製品を愛好するのであれば、さぞかし日本そのものにも好意的だろうと思うのは、極めて日本人的な短絡思考です。ある「良心的日本人」が書くブログでは、意図的に読者をこの「日本人的短絡思考」に誘導しようとしているのを見ましたが、これは非常に有効な罠だと思います。

これまでに弊ブログでは、日本の文化や品物について、韓国人が極めて高く評価していると同時に、彼らが日本そのものをどのように見、どのように考えているかをご案内してきました。それはそのまま、北朝鮮人にも適用可能であると、私は確信しております。

先述したとおり、日本人の大半は、韓国以上に北朝鮮のことを知りません。以前から何度も言っておりますが、日本人にとって「知らない国」は、知らないというだけで「好きな国」になるのです。そのため、韓国をある程度知って嫌韓になった人でも、北朝鮮はまだ韓国よりマシだと考えている人は、全く珍しくありません。

しかし、韓国と北朝鮮は、謂わば一卵性結合双生児です。標榜するイデオロギーの違いは確かにありますが、異なるのは掲げている看板だけで、その中身はどちらも同じなのです。もっと言えば、たとえ日本国籍や中国籍その他の国籍であっても、あるいは在日何世であっても、その中身が朝鮮人ならば、それらは等しく朝鮮人だと考えるべきでしょう。

弊ブログで紹介しているのは基本的に韓国関連ですが、それらは北朝鮮や中国朝鮮族、在日にも十分援用出来るものであるということはこれまでにも述べてきました。北朝鮮に注目が集まる今日、改めてそのことを強調しておきたいと思います。



人気ブログランキング FC2ランキング

本日もクリックありがとうございます<(_"_)>
スポンサーサイト




月見櫓 韓国 日韓