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「今の韓国・北朝鮮」がわかる本を読んで

新年あけましておめでとうございます。本年も、ブログ月見櫓をよろしくお願いいたします<(_"_)>

年末年始にかけて私は、何気なく70~90年代のフォークソング・ニューミュージック系を聴き漁っております。たかじん、歌うめえ(本業歌手なんだから当たり前ですがw)。

さて年初から、オウム真理教の元幹部で監禁致死事件の容疑者平田信が出頭したとかいうニュースが飛び込んできました。オウム真理教の教祖麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚が朝鮮系ということや、金正日死亡直後というタイミング的なものもあって、北朝鮮との関連を疑う人も結構いるようですが、個人的にこの件と朝鮮半島との関わりは、あまりあるとは思っていません。

朝鮮半島関連というものは、何事につけ「陰謀」や「奸計」との親和性が高いので、謎の多い事件で、しかも多少なりとも朝鮮関連の要素があると、ついそういう疑いを持って見てしまう気持ちになってしまうのは、とてもよくわかります。

ただ、「陰謀」という言葉は、魔法の呪文のようなもので、みだりに使い過ぎるとそこで思考停止してしまう危険性の高い言葉でもあると思います。

日本人が韓国を見ると、こんなに無茶苦茶で理不尽で自分勝手で非道徳的で図々しい不快で非合理的な国もないと思います。ところが、並べて見ると韓国がまともに見えてくるほど輪をかけて無茶苦茶なのが、北朝鮮です。陰謀論でも持ち出さないと、到底説明がつかないことも少なくありません。

実際のところ、北朝鮮に関しては多くの「陰謀」があると思います。ですが、それらを正確に把握することは、少なくとも普通の民間人にはまず不可能でしょう。国家規模の「陰謀」が、普通の民間人に得られる情報の範囲内でわかるようなお粗末さでは、とても「陰謀」とは言えません。

基本的に「陰謀」というものは、明らかになるまでは推理するしかありません。推理は、十分な材料が揃っていれば、「陰謀」に対する有効な対策になり得ます。あるいは、シャーロック・ホームズ並の卓越した推理力があれば、少ない材料からでも、的確な推理を行なうことが可能でしょう。

けれどそのどちらも不十分な場合、つまり少ない材料と貧弱な推理力で陰謀について考察すれば、それは「疑心暗鬼を生ず」という状態になります。木を隠すならば森と言いますが、陰謀を隠すならば疑心を抱く者が撒き散らす妄想の中が最も最適でしょう。

仮にその中にたまたま「陰謀」について的確に言い当てているものがあるとしても、大量の的はずれな推理や考察に基づく妄想がそれを覆い隠してくれます。それは「陰謀」を企てる側にとっては、大変望ましいものだろうと思います。ある意味、「陰謀」を企てる側に加担することと言えなくもありません。

私はごく普通の、無名で無力な民間人ですから、情報もそれに見合うレベルと量のものしか手に入りません。推理力はと言えば、シャーロック・ホームズの爪の垢ほどもないでしょう。

そんな人間が下手に「陰謀」について語れば、妄想を撒き散らすことになるのは火を見るより明らかです。ですので、私はあまり「陰謀」を前提としたお話はしないようにしております。気をつけていないと、つい言いたくなるものなんですけどねw

そういうわけで、少しでも情報を集めて考察のよすがとするため、先日買った本が重村智計著【最新版「今の韓国・北朝鮮」がわかる本】です。

この本は金正日の死亡が明らかになる前に書かれたもの(2011年6月10日第一刷発行)ですが、北朝鮮関連についてはそれを踏まえて読むと、かなり興味深いものがあります。

内容は非常に盛りだくさんです。私もまだ詳しいレビューを書けるほど読み込んではおりませんが、今後の朝鮮情勢をウォッチするための基礎知識を得るには、かなり良い本ではないかと思います。

最終章で著者は、「韓国と北朝鮮の取材は、現地の新聞が書けない真実と、政府が発表しない事実を捜し出す作業だ。報道され、公に知られた情報は、疑わしかった。どうしたら、真実を取材できるのか。本当の事実を知ってる人を、見つけ出すことだ。これが、韓国・北朝鮮取材のやり方だった」と述べています。

また「真実を知る人は「書かない」と約束すると、話してくれる。ストレート・ニュースでは書けないから、解説を書く時に記事の中にもぐりこませた。「書くなよ」といって話す人もいる。これは「書いてもいいが、自分に迷惑をかけないでくれ」との意味だ。だから、ニュース・ソースがわからないように、記事を工夫した」と赤裸々に述べます。

つまるところ、朝鮮半島関係の情報というのは、情報そのものと共にこういう機微が必要ということでもあります。それを正直に書いてる点に、誠実さを感じました。

ただひとつ、この本の最終章では、著者の韓国人・北朝鮮人に対する親愛の情も隠さず披露していますが、この点については、私は批判的にならざるを得ません。

現実問題として、その国を知るためには、その国の人と親しくならなくては不可能です。私にしても、親しく話す韓国人の知人はいます。

しかしそういう韓国人ひとりに巡り会うまでに、どれほど多くの量産型韓国人に翻弄され困惑させられたことでしょうか。それもまだ、チャットというインターネットを介した邂逅であっただけマシだったと思います。現実であれば、更に酷い思いをする羽目になったであろうことは、極めてリアルに想像出来ます。

チャットであれリアルであれ、普通の韓国人なら最初のうちは「良い人」を装うものです。ですから知人に紹介された韓国人とちょっと一緒にメシを食いながらとか、酒でも飲みながら話す程度なら、「なんだ、韓国人でも良い人多いじゃん」と感じる方が普通でしょう。

しかしそんな韓国人と100人200人会って話をしても、彼らの腹の底が見えることなどあるはずがありません。彼ら自身でさえ、自分たちの腹の底にあるものを見ないようにしているのですから。

韓国人・北朝鮮人とは、何があっても断じて親しくなるなとは言いません。ただ韓国人・北朝鮮人と親しくなるならば、彼らの性癖を十分理解してからにしなければ、あまりにも危険だと思うのです。彼らは、上っ面だけ見れば日本人に近似しているように見えますが、一皮剥くとあまりにも私たち日本人と何もかもが異なる生き物なのです。それを理解せずに彼らに近付くことは、家庭犬に接するのと同じ心づもりで野生の狼に近付くのと等しいものがあると思います。

この「親しくなるならば、彼らの性癖を十分理解してから」ということも、「朝鮮半島関係の情報に接する際の機微」のひとつであり、韓国人・北朝鮮人に対する親愛の情を最終章で披露したのも、この本をここまで読んだ人ならその機微に気づくだろうという著者の思惑なのかもしれませんが、果たしてこの本を一読した程度でそこまで読み切れるようになるだろうか、そこまでを読者に期待するのは酷ではあるまいか、ということが、この本を一読し終えた現在の感想です。



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