言葉がわかっても気持ちがわかるとは限らない
結論から言えば、ハングルの読み書きが出来て、日常会話程度の朝鮮語が出来るようになっても、日本人が韓国人の反日感情を含む対日複合意識を理解するのはかなり難しいでしょう。
朝鮮語を習い始めると、早い段階で日韓間のタブーのようなことも習います。例えば日本人が韓国人の前で「朝鮮」という言葉を日本語で言うのは良くないとか、「親日派」という言葉は韓国ではネガティブな意味を持つからみだりに韓国人に対して使わない方が良いということなどは、かなり早い段階で教わります。
つまり、ハングルや朝鮮語を習う人は、例外なく韓国人に一定の反日意識があるということを知っていると考えて良いのです。
問題は、それをどの程度深刻に考えているかでしょう。
以前から弊ブログでは何度も言ってるように、韓国人は日本を悪だと心の底から思っている癖に、日本が大好きであり、日本を強く恐れているくせに、日本を思いっきり侮ってもいます。こういった韓国人の対日複合意識は、なかなか日本人には理解が難しいのです。
日本人は、外国人を心の底から憎悪するという習慣がありません。だから韓国人の反日感情というのも、実際にはあまりピンと来ない人が多いのではないでしょうか。更に韓国人の対日複合意識に至っては、朝鮮半島関連の書籍でも明確に言及しているものは少ないのです。
言うまでもなく、韓国人の反日感情や対日複合意識について、韓国人に直接聞いても、まず真っ当な答えは返ってきません。「今はもう、韓国の反日は消えました」とか、「韓国の反日はおじいさんおばあさんだけです。韓国の若者は日本が好きです」という答えが90%以上でしょう。
稀に「韓国は反日です」と言う韓国人もいなくはありませんが、何故韓国が反日なのか、韓国の反日とは具体的にどういうものなのかの説明を求めても、これは100%まともに答えられません。ただ「かつて日本は韓国に酷いことをしました」と言って、「だから日本人は韓国に謝罪してください」と言うばかりです。
日本人は、日本が悪いと言われることに慣れています。褒められると、何か落とし穴があるのではないかと身構えるくせに、貶されると安心するのですから、日本人も大概変な民族です。
そんな日本人ですから、韓国の反日感情に全然ピンと来てなくても、韓国人が日本が悪いとか日本人は謝れと言うなら、素直に謝っとけば丸く収まるのだろうと安易に考えて、とりあえず謝ってしまう人が結構います。本当に、日本人の悪い癖だと思います。
もちろんそうすれば、その場は収まります。その日本人が韓国に住んでいるわけでなければ、その場限りの話で終わるでしょう。
しかし日本人を謝らせた韓国人の方はそうではありません。3月1日や8月15日などの反日特異日や、日韓間の問題が紛糾する都度、日本人を謝らせた経験のある韓国人は「謝る日本人もいるのに、何故日本はちっとも反省しないのか」と苛立ち、一層自覚なき反日感情を深刻化させるのです。
そんな韓国人が反日をハングルで書き散らかしたり、朝鮮語で喚き散らすのは、日本人に韓国の反日が分からないようにするためという気持ちも皆無ではないと思いますが、それよりずっと強いのは、同じ韓国人に自分の感情を訴えたいという気持ちの方でしょう。
韓国では悪口のことを「辱(ヨク)」と言いますが、それはもう凄まじいことを言います。日本人なら、一言でもそんなことを言っちゃったら、お互い一生二度と顔も合わせられないようなことを、一言どころかマシンガンのように投げつけます。
以前日韓チャットの韓国人に聞いたことがあるのですが、韓国人の「辱(ヨク)」は「自分がどれだけ怒っているか」を相手に伝えるためのものだそうです。だから、自分の怒りがどれだけ凄まじいかを相手に分からせるために、思いつく限りの凄まじい悪口を相手に叩きつけるのです。
それを聞いた相手がどのように感じるかなどということは全く考えません。相手がどのように考えているかではなく、自分がどのように考えているか、どのように感じているかを、相手が無条件且つ全面的に理解するべきというのが、韓国人にとっては当然の意識なのです。
日本人には大変理解が難しい(と言うか鬱陶しい)韓国人の意識ですが、韓国人の気持ちを理解すればしたで、今度は彼らに同情してしまう日本人が少なくないのも厄介です。
親韓日本人でも、韓流捏風に吹かれて上っ面に惑わされてるような連中はどうかわかりませんが、古田氏や黒田氏と言った筋金入りの親韓日本人は、韓国人の「情」を理解したが故に同情してしまった人々でしょう。特に黒田氏のように、韓国に何十年と住むレベルになれば、ある程度韓国人化していないと、神経が焼き切れると思います。
いずれにしても、日本人がハングルの読み書きと日常会話程度の朝鮮語を習得したからと言って、それだけで韓国の反日を含む対日複合意識を理解出来るとは全く思えません。
何しろ、韓国人配偶者を持ち、韓国に居住している日本人でさえ、その辺りを正確に理解しているとは到底思えない人が結構いるのですから。