カツカレー騒動に思う
さて、このところネットを見ればカツカレーの文字を見ないことはないような状態で、これはどこぞのカレーショップのステマではないかと勘繰りたくなるぐらいです。
私はカレーは好きですがトンカツがさほど好きではありません。ですのでカツカレーを食べることは滅多にありません。そんな私でも、これほどまでに何度もカツカレーという文字列を見ると、なんだか食べたいような気になってくるのですから、これが本当にステマだったら物凄い効果だろうと思います。
今回のカツカレー騒動は、もちろんカレーショップのステマなどではなく、親特亞マスコミの安倍自民党新総裁バッシングが意図せぬ方向に走ってしまっただけでしょう。けれどもし親特亞マスコミの思い通りの方向に意見誘導されていればどうなっただろうかと思うと、背筋に冷たい粘着物を貼り付けられたような心地がします。
もっとも今回のような親特亞マスコミの意見誘導は、まさにいつもの手で、既に何度も使い古された手です。その手を親特亞マスコミが臆面もなく使ってくるということは、彼らが愚民相手なら何度でも同じ手が通用すると考えている証拠と言って良いでしょう。
しかし今回、親特亞マスコミのいつもの手は、少なくともネットを活用出来る人々に対しては不発に終わりました。むしろ逆効果だったと言っても良いでしょう。今回のようなあからさまなやり方は、ネットに親しんだ人々にはもはや通用しません。いまだネットに馴染めない人もいるでしょうし、ネットの情報も相変わらず玉石混淆ですが、ネットを上手く使える人々は着実に増え、着実に成長していると感じます。
マスコミとネットの情報の違いは、誰か特定の人物や団体の恣意が働くか働かないかの違いではないかと思います。
マスコミと言うと、何万、何十万、何百万部もの新聞や雑誌を出版し、何千万人もの視聴者に訴えかけることが出来、関連業者も非常に多岐多数であることから勘違いしやすいのですが、紙面や番組の意見や主張や方向性を決めるのは、実は極めて少数の人々です。
また、スポンサーの意向も、紙面や番組作成に当然に大きな影響力を持ちます。マスコミはどこも不偏不党を謳ってはおりますが、安倍自民党新総裁バッシングを社是とする大手新聞社があったり、公営放送であるはずのNHKですら韓流捏風等への大きな偏りを見せているのは、ある程度ネットを用いて情報を探すことに慣れた人なら、周知の事実です。
ではネットはどうかと言えば、これはもうマスコミとは比べ物にならないほど多様多数な立場の人々が意見を持ち寄っています。当然、それぞれの意見には偏りや誤りがあることも珍しくありませんし、サイト管理者によってある程度の意見誘導は可能です。
が、ネットの場合、意見の偏りや誤りは比較的リアルタイムで指摘し、是正することが可能ですし、サイト管理者による意見誘導さえも、対抗するサイトを開設することで指摘や是正が可能です。リアルタイムの情報交換は、ネットの得意分野と言って良いでしょう。
リアルタイムの意見や情報は精製されていない分、虚実が綯い交ぜになっているだけではなく、剥き出しになっています。慣れるまでは情報の取捨選択に苦しみ悩むことも頻繁にあるでしょうけれど、慣れてくれば判断の勘所がわかってくるようになります。
ネットでそれが出来ない人は、マスコミの恣意的な意見誘導にも、軽々と転がされまくる人でもあると思って良いでしょう。ネットでさえ適宜の情報選択が出来ない人は、マスコミにとっては非常に良いお客さん、もっと露骨に言えばネギを背負ったカモです。
ネットと比べると、マスコミはとても便利です。日本では、テレビのスイッチさえ入れればたいていの地域でいつでも何かしら番組が放映されていますし、新聞も、余程地理的条件が悪いところでない限り戸別に毎朝毎夕配達してくれます。巣の中で口を開けて上を向いていれば、あとはピヨピヨ鳴いてるだけでエサを入れてもらえるようなものです。
その点ネットは、検索ワードでさえも自分で考えなければ始まりませんし、首尾よく情報に接する事が出来ても、それを親切に解説してくれる人はいません。自分で考えるか、最低限自分から質問する必要があります。そういうのが面倒くさい人にとって、マスコミの情報発信はとても親切に感じられるでしょう。
そういう点では確かにマスコミは親切ですが、彼らによって口の中に入れられるのが常に美味しい、その人のためになるエサとは限りません。人々を囲い込み、思考力を奪い、マスコミの恣意で操れるようにするためのエサかもしれません。その判断は、自分がしなければ誰もしてくれないのです。
ネットもマスコミも使いようです。今回の安倍自民党新総裁バッシングでわかるように、いくつかのマスコミは明らかに自分たちの恣意で人々を誘導しようとしていました。それが何のためなのか、誰のためなのか、どこへ向けて誘導しているのかを知るには、マスコミだけを情報源にしていては不可能です。
次の衆議院総選挙は、遅くとも衆議院任期満了の来年夏には必ずあります。その際にマスコミの恣意に乗せられず転がされず、もちろんネットの嘘情報誤情報にも翻弄されず、それらの情報ツールを上手く用いて、自分の意見や主張を自分で考え、それに基いて判断し、責任ある一票を投じる日本人が一人でも増えるようにと、心から願う次第です。