日韓戦争は起こり得るか
そもそも日本がそんな選択をすることはあり得ないというのが私の答えですが、それだけではあまりにも愛想がないので、日韓戦争の可能性について考察してみようと思います。
まず、一言で戦争と言いますが、これは何の準備もなく始められるものではありません。戦争に至るまでに踏むべきステップはかなり多く、まず戦争の大義名分は必須事項です。更に同盟国への根回しや協力の要請も当然に必要になります。加えて、拳で語り合う前に言葉で語り合うのが文明国というものですから、話し合いを尽くす必要も当然あります。現在の日韓のように、話し合い以前の状態で戦争は始められません。
万障繰り合わせていよいよ戦争という段階に至っても、皆様既にご承知の通り、日本は憲法第九条において、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する旨を高らかに宣言しております。が、自衛権までをも放棄してはおりません。ですので、他国からの武力による侵略に武力で対抗することは現憲法下においても可能と解釈されております。
竹島に関しては、武力による領土侵害と解釈することも可能ですので、日本がその気になれば自衛権を行使することは可能でしょう。しかし日本がその気になるには、竹島が韓国に不当に武力占拠されてから、あまりにも時間が経ち過ぎているというのも事実です。
日本は竹島が韓国に不当に武力占拠されてから何十年もの間、韓国に対して抗議らしい抗議はおろか、国際輿論に訴えることさえしてきませんでした。どころか、日本国民に向けた竹島問題の周知すら怠ってきたのです。
竹島問題を日本国民が知り始めたのは今世紀に入ってからですし、周知が進んだと言えるのはせいぜいこの10年です。古くから国民に向けて周知を続けている北方領土問題ですら、武力による解決という選択肢は最初から除外しているのに、何十年もの間韓国のやりたい放題を黙過してきた竹島問題で、突然思いついたように「韓国に武力で領土侵害されたから武力で反撃します」と言い出しても、誰も納得させることは出来ないでしょう。国際輿論だけではなく、日本国民をも納得させられない戦争など実行不可能です。
他にも理由は考えられますが、この一点だけを取っても、竹島を理由に日本から韓国に戦争を吹っ掛けることは事実上不可能だと私は思っております。
ですから、日韓戦争があり得るとすれば、それは韓国側から吹っ掛けてきた場合に限定されると思います。ただこれも、現実的にはほぼあり得ないと私は考えております。
歴史的に見て韓国(と朝鮮)は、強い相手に自ら進んで戦争を吹っ掛けたことが一度もありません。これは個人の喧嘩でもそうですが、韓国人は自分より弱いと思った相手や何らかの理由で反撃してこないことが確実な相手であれば、自ら進んで喧嘩を売ることはしばしばあります。その反面、相手の方が強く且つ反撃される恐れが大きいと思えば、彼らは徹底的に卑屈になります。
日本に対し韓国が挑発を続けるのは、日本を弱いと思っているからではなく、日本が絶対に反撃してこないと思っているからです。もし日本が少しでも武力による反撃の意思を見せれば、韓国は間違いなく直ちにヘタレます。これは私が韓国を見くびって言うのではありません。
過去に何度か述べたことがありますが、「日本を世界の法廷に立たせる!」という威勢の良い台詞で一部の韓国ウォッチャーを魅了した映画「韓半島」内で、対日戦争勃発の瀬戸際に立ったときの韓国政府と韓国軍の描写と、それを見た韓国人の反応からの判断です。
この映画を見たとき、私はあまりにも韓国軍が情けないと言うかヘタレ過ぎるので、日韓チャットで結構しつこく韓国人に「この映画における韓国政府と韓国軍の反応描写は如何なものか」と質問していたのですが、韓国人の誰一人として、映画の中の韓国政府と韓国軍の描写に疑問を抱いた者はいませんでした。
韓国の反日教育の例として、韓国の小学生が「日本に攻め込めばいいと思います!」と発言する画像をご覧になった方も多いでしょう。それを受けて韓国人教師が「日本と戦争をすればウリナラも損害を被ります」とたしなめるわけですが、そのように「日本と戦えば韓国が無事では済まない」というコンセンサスは、韓国で確立されています。
ですから韓国が先に戦争を吹っ掛けることがあるとすれば、「日本が絶対に反撃しないこと」が絶対に確約される場合に限ります。いくら日本が現憲法で戦争を放棄していると言っても、先に武力行使された場合、それに反撃する権利が認められている間は、韓国は絶対に対日戦争に踏み切らないでしょう。
他にも理由は考えられますが、いずれにせよ日本から仕掛けることが絶対に無く、韓国から仕掛けてくることもまず無いとしか考えられない状況下では、日韓戦争が行なわれる可能性は果てしなく小さいと私は思っております。
ただし、完全にゼロとは思っておりません。過去の歴史にも例がありますが、韓国が強大国と結び、その軍事力を背景にした場合、彼らは異常なほど好戦的になります。ですので、もし今後韓国がアメリカと完全に袂を別ち、中国と結び、その軍事力を背景にした場合、韓国の発案で対日戦争が起きる可能性はあり得ます。
ただその場合、その戦争は「日韓戦争」ではなく「日中戦争」と呼ばれるのではないかと思っております。
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