日韓国交正常化50周年を機に
かつては、「日韓が国交を断絶すれば、日本はホロン部」とまことしやかに言われておりました。しかし実際日韓関係が凍結に近い状態にまで冷え込んでも、日本が滅ぶ気配は感じられません。
経済面をごくピンポイントで見れば、日韓間の取引に限定した幾つかの企業には日韓関係の冷え込みが原因の悪影響が出ているのかもしれませんが、オールジャパンで見れば、日経平均株価は2万円に迫る勢いを見せております。それが韓国との関係凍結のおかげかどうかはわかりませんが、少なくとも韓国との関係凍結が日本経済全体に悪影響を及ぼしはしないという証左にはなるでしょう。
対する韓国経済と言えば、まさに青息吐息の状態です。彼らが日本を罵る時に用いる言葉は、非常にしばしば彼ら自身に対する指摘となっていることが多いのですが、「日韓が国交断絶すれば日本はホロン部」というのも、その類例のひとつということが奇しくも証明されてしまう形になりました。
何でもそうですが、願いや望みが一足飛びに叶うということは、そんなにありません。願いや望みを叶えるために、今しなければならないことをひたすら無我夢中でやっている内に、気がついたら自分が願い望んでいたものが目前にあったりするものです。
私は日韓国交断絶も同じだと思っています。ほんの数年前まで、日韓国交断絶は嫌韓のタワゴトであり、夢物語でした。何故日韓友好が必要なのかという議論も説明も行なわれないまま、どんな事情があっても日韓は友好関係であらねばならないのだという強迫観念が、少なくとも日本国民には押し付けられていました。
韓国民に対しては、そういう強迫観念の押し付けがあったかどうかは知りませんが、日韓友好は日本側が強く望んでいることなのだ(=ウリは仕方なく応じてやっているのだ)という印象操作は熱心に行なわれていたのではないかと思います。何故なら、かつて日韓チャットで「韓国が嫌いだ」と言うと、天が落ちてきたかの如く驚愕する韓国人が極めて一般的だったからです。
今でも、日韓国交断絶を口走る韓国人には、そういう意識が透けて見える者が珍しくありません。即ち、「国交断絶と言って脅せば、日本人は驚き慌て、ウリに土下座して友誼を乞うに違いない」という意識です。
もっとも日本の嫌韓気運の増大は韓国側にも幾らか伝わっており、それに反応する形で国交断絶を口走る韓国人も散見されるようにはなりましたが。
いずれにしても、両国民の間に国交断絶というコンセンサスが形成されつつあるということは確かです。
しかしこれを政府間の議題にまで押し上げるのは、容易なことではありません。一般に、国交断絶と言えば戦争一歩手前の状態とも言えます。日韓が戦争を視野に入れることは、日韓双方の事情を鑑みればおそらくないでしょう。
そこで弊ブログが以前から唱えている「発展的関係解消」です。
日韓国交正常化以後の日韓関係は、必ずしも「正常」とは言えないものでした。その歪みが50年目になる今、あちこちから噴き出しているのです。
日韓国交正常化50周年を機に、日本と韓国は互いに関係を今一度冷静に見直し、現実に則した形に戻す必要があるのではないでしょうか。そもそも日韓関係は、最初のボタンを掛け違えています。その最初のボタンの掛け違えを正さなければ、日韓関係の歪みは永遠に除かれないでしょう。
この先も歪んだままの日韓関係を継続するのか、それともこの辺りで一旦日韓関係そのものをリセットし、新たに正しい日韓関係を模索するのか、その選択は私たちの世代にかかっているのかも知れません。