日韓併合以前の朝鮮を知ること
既出ですがイザベラ・バードの「朝鮮紀行」、あるいはホーマー・ハルバートの「朝鮮亡滅」、ヘンドリック・ハメル「朝鮮幽囚記」、シャルル・ダレ「朝鮮事情」、フレデリック・マッケンジー「朝鮮の悲劇」辺りをお読みになれば十分ではないかと存じます。私はどれも通読しておりませんがw
私が読んだ朝鮮関連の書籍は主に日韓併合以後のもので、そのうち半分以上は多分朝鮮戦争以後のものだったと思います。
ここ数年の韓国・朝鮮関連書籍には、韓国に比較的厳しい内容のものが少なくありませんが、かつての韓国関連書籍はほぼ韓国に対して極めて好意的な内容のものばかりでした。しかしそんな本の中にも、好意的に解釈してもし切れない、日本と日本人に対する韓国人の複合意識を示す話が、必ずありました。
例えば、確か1970年代のソウルに駐在していた毎日新聞の記者の奥さんが書いた本(題名を失念しました)だったと思いますが、いつも子供と遊んでくれる近所のおじさん(もちろん韓国人)が、その子供に「チョッパリ」と言ったというエピソードが強く印象に残っています。
驚いた著者がおじさんに問いただしに行くと、おじさんは涙を流さんばかりに平謝りしたと言います。著者はそれをもって「韓国人には反日意識があるけれど、正面からきちんと向きあえばわかりあえるのだ」とでも言いたかったのでしょうけれど、そうであればいい年をした大人が、まだ言葉も覚束ない子供に「チョッパリ」などと最初から言わないでしょう(韓国に慣れた私たちが、日本人に向けられる蔑称「チョッパリ」を冗談半分で自称的に用いることはありますが、この言葉は韓国では冗談半分で用いるような軽い悪態などではなく、相当酷い(日本語では比較する語彙が思いつかないほど酷い)蔑称のようです)。
盲目的に韓国人に好意的な人は、韓国人のそういうところも「完璧にはなれない人間臭さ」と解釈するのでしょうけれど、冷静且つ公正に読めばそれは「完璧にはなれない人間臭さ」で済まされないほど陰湿だったり悪意に満ちているものだと私は考えます。
コメント下さった方は「日韓併合以前の朝鮮の悲惨さ」に関心をお持ちのようですが、私はそういった「日本人に接した時の、韓国人から滲み出る、隠そうとしても隠し切れない悪意」の方に関心があります。
韓国人に日韓併合以前の朝鮮について聞くと、大抵純朴で穏やかな古き良き時代とイメージしているようです。それは「いわゆる従軍慰安婦」が、「野原で花を摘んで遊んでいた少女」だったとイメージしている辺りからも察せられます。
日韓併合以前の朝鮮と言えば、「下水が無いため不潔で、道路も整備されておらず、貨幣制度が浸透しておらず、そのため商業が発展せず、衣服は染色技術が未発達なため白衣が主で、農業技術も未熟な上にそもそも朝鮮人は怠け者が多いので午前中ぐらいしか働かず、従って食糧生産も不十分なために秋の収穫を冬に食い尽くしてしまい、春になると餓死者を出すのは年中行事だった云々」というものですが、案外現在の韓国にもその名残りが見られます。
もちろん18~19世紀のレベルと比較すればずいぶん整備されてはいるのでしょうけれど、現在が21世紀ということを考えれば今の韓国も十分に不潔ですし、下水や道路の整備も満足に出来ているとは言えません。そのため現在の韓国でも大きな台風が来ればたちまち下水が溢れて洪水が起きますし、最近の韓国では道路の陥没による事故が問題になってるという話がありましたね。
貨幣制度は、現在の韓国では一応機能していますが(北朝鮮ではかなり機能を失っていると仄聞します)、韓国人の借金癖を見る限り、それもどこまでなのかは怪しいもので、そのため現在の韓国経済は破綻寸前です。
衣服は、かつて白衣しか着れなかった反動か、派手な色使いとテラテラの化繊を強く好むようになりました。
農業技術に関しては、世界の農業技術そのものが18~19世紀と比べると大きく進歩しており、韓国人でも教えられた通りのことなら(最大八割の達成率で)出来ますからそれなりですが、自分で創意工夫しようという意識は今も極めて希薄です。
また怠け者が多いのは今も全く同じです。よく韓国人はOECDの中で時間外労働時間がトップクラスなどと言いますが、それは勤務時間中にダラダラしたり、やらなくていいことをやったり、やらなければならないことをやらないために、時間内に仕事が終わらないのと、そもそも彼らが時間にルーズなためです。
食糧は今のところそれなりに供給出来ているようですが、それでもまだ欠食児童や、十分に食事を取れない貧困層というのは少なくないようで、そういう人々に食糧を供給するための寄付や活動が毎年のように行なわれ、それが美談として報道されています。
春に餓死者を出す恒例行事「春窮」は、韓国では1970年代に根絶されたことになっておりますが、北朝鮮では絶賛続行中のようです。
あと、書籍ではありませんが「きままに歴史資料集」というサイトには日韓併合以前の朝鮮関連の膨大な資料が掲載されております。とりあえずそのサイトをご覧になるのが、一番手っ取り早いかも知れません。
ただ、日韓併合以前の朝鮮は、現在の韓国とはかなり大きく断絶しており、上記に掲げたように現在の韓国にもその当時の名残りが無くもありませんが、どちらかと言えばその時代を知ることは北朝鮮の方を考察するのに適しているのではないかと思います。