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日本は南北朝鮮共通の敵

7月20日付の産経ニュースに載った西岡力氏の論説について感想を求められたので、読んできました。

まずコメントくださった方が問題視されておられた「日本の植民地支配」云々という記述については、私は個人的にあまり問題視しておりません。

日韓併合については、「文字通り併合だった」派と、「人類史上最悪の植民地支配だった」派があるようです。私は前者ですが、後者を主張する人と議論しようとは思いません。「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」で放置する方針です。

それよりも日韓関係について、いまだにこんな脅迫紛いの主張が通ると思われていることに、少々不快感を覚えました。

当該論説は「「日韓関係の悪化を喜んでいるのは誰か」と題するかなり長いものです。これによると日韓関係の悪化には三つの要因があるそうです。

まず、日本が日韓国交正常化の際に、韓国を朝鮮半島唯一の合法政府だと認めなかったことによって、北朝鮮政権をどう評価するのかという根本的観点が欠落したためだと言います。

次に韓国指導者層による大衆迎合的反日、最後に北朝鮮と韓国内の従北勢力が作り出した韓国を席巻する反日自虐史観、これら三つが日韓関係を悪化せしめている要因との考えです。

つまるところ、日本と北朝鮮と韓国のそれぞれがひとつずつ日韓関係の悪化の要因を作っているとの主張のようです。その結果、「日韓関係の悪化で喜ぶのは北朝鮮」と言いたいようです。

弊ブログでは既に5月21日付で「日韓関係が悪化することで最も喜ぶ国は」という記事を書いており、今から改めて同じ考察をするつもりはありません。ですので今回は、西岡氏が主張する「日韓関係悪化の要因」について考えてみました。

まず最初の要因、1965年の日韓国交正常化の際に、日本が韓国を朝鮮半島における唯一の合法政府と認めなかったというものについては、私が日本贔屓だからかもしれませんが、かなり言い掛かりに近く感じます。

西岡氏は、北朝鮮を「日韓共通の敵」と規定し、日本の北朝鮮に対する態度の甘さというか曖昧さを非難しています。しかし、日本から見れば韓国も北朝鮮も同じ朝鮮人です。更に言えば日韓国交正常化時点から見てわずか20年ちょっと前までは、どちらも日本人でした。更に日韓国交正常化前後の日本では、韓国よりも北朝鮮の方が評判が良かったという事実もあります。

日本国内には北朝鮮系と韓国系の在日団体がそれぞれ立ち上がり、日本政府が南北朝鮮のどちらか一方だけを正当視すれば、正当視されなかった方が暴発するおそれも多分にありました。

NHKで朝鮮語の語学講座を開設する際に「朝鮮語講座」とすれば韓国側から、「韓国語講座」とすれば北朝鮮側から、それはそれは猛烈なクレームが来るため、「ハングル講座」という曖昧な講座名にしたことは有名な話ですが、似たようなことが当時の日本各所で起きていたことは想像に難くありません。

日本政府が、日韓国交正常化において韓国を「朝鮮半島唯一の合法政府」と認める際に抜け道を用意したのも、その一例と考えるのは私の日本贔屓が過ぎるでしょうか。

二つ目の要因とされる「韓国指導者層による大衆迎合的反日」については、特に説明の必要はないでしょう。あえて何か述べるとすれば、西岡氏だけではなく、親韓・擁韓及び韓国人が言う「韓国人はそんなに反日じゃない」という主張は、これによって完全否定されるのではないかということです。もし韓国人が反日じゃないのであれば、大衆迎合的反日など全く効果がないはずですが、実際には常に結構な効果をあげているのですから。

最後の「北朝鮮と韓国内の従北勢力が作り出した反日自虐史観」についてですが、これは韓国では、「韓国人はそんなに反日じゃない」という主張を補強するものとして言われることがよくあります。即ち、「韓国の反日は従北派の工作」だから「(従北派じゃない)韓国人は反日じゃない」という主張です。

しかし北朝鮮による工作を喜んで受け入れたのは、韓国人自身です。西岡氏は北朝鮮を「日韓共通の敵」と規定されておられますが、韓国人は日本を「南北朝鮮共通の敵」と規定していたのです。だからこそ、韓国人は北朝鮮の赤化工作を進んで受け入れたのです。

つまり西岡氏の主張に従うとしても、その背景を仔細に鑑みれば、日韓関係悪化の原因と責任の多くは、韓国にあることになるのではないでしょうか。

日本に責任は一切ない、とは言いません。日本が、韓国との間に友好関係が成立するとか、話せば分かり合えるなどという甘い考えを持たなければ、韓国の欺瞞や甘言に翻弄されることはなかったでしょう。

現在の日本は遅まきながらそれに気づき始めたところです。生来お人好しの日本人ですから、どこまで韓国に厳しく接することが出来るかはまだまだ不安ですが、まずは「日本人が考えるまともな対話」は、韓国相手には全く成立しない、ということを周知徹底するだけで、日韓関係の今後は「日本にとって」より良くなっていくでしょう。

むしろ西岡氏が言う「釜山に赤旗が立つことは日本の安全保障にとって最悪のシナリオ」とやらを恐れるあまり、韓国に過剰な配慮をした結果、竹島に太極旗を立てられてしまったこと、これから対馬にも立てようとしていること、その他韓国人によって為される数多の日本侵害等も、日本として決して許容出来るシナリオではありません。

北朝鮮も韓国も、同じ朝鮮です。北朝鮮が日本の敵であるならば、韓国も日本の敵です。仮に北朝鮮が韓国にとって敵であるとしても、日本もまた韓国にとっての敵とされているのです。日本も北朝鮮も同じ敵なのであれば、韓国人は間違いなく北朝鮮に加担するでしょう。

日韓関係を考える時は、韓国人のその考え方を正しく認識し、前提として考えなければ、正しい結論にたどり着くことはないと考える次第です。



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