竹島問題の解決によって、日韓問題の解決を目指す
一応、島根県による竹島の日記念式典には政府代表の酒井内閣府政務官も出席し、これで4年連続の政府高官出席となったようですが、逆に言えば4年もお為ごかしで済ませているとも言えます。
そろそろ来年辺り、バシッと決めていただきたいものです。
しかしながら、これに関しては政府ばかりを責めてもいられません。国民側の関心も、時間の経過と共に薄れているとまでは言いませんが、問題のインパクトにもすっかり慣れて、惰性になりつつある感は私自身も含めて否めません。
竹島問題とは、ある意味日韓関係を集約したものとも言えます。
竹島問題については、竹島密約
この「竹島密約」によって、「竹島問題は解決せざるを以て解決したとみなす」とされたと言います。密約の存在が事実かどうかは私には断言出来ませんが、韓国による竹島の不法占拠後、日本国民に向けた竹島問題の周知が全く行なわれていなかったのは確かな事実です。ですから密約がもし存在したとすれば、少なくとも20年程度は効果があったと言えます。
「密約」といえども「約束」の一種です。その内容は、「竹島については今後、双方が自国の領土と主張することにし、これに反論することに異議は提起しない」「韓国が占拠している現状は維持するが、警備隊員の増強や新しい施設の増築などはしない」「両国はこの合意を守る」というものだったとされます。
もし韓国がこの密約に本当に忠実であれば、効果は更に長持ちしたかもしれません。しかし「約束」を守ることが出来ないのは韓国人の習性なのか、彼らはきっちりこれを破ります。
近年になって日本で竹島問題が突如クローズアップされたのは、日韓のネット交流が盛んになったためではないかと私は邪推しております。
2002年に私が日韓チャットに行き始めた頃、日本人に韓国人が吹っ掛ける話題と言えば日韓併合や教科書問題、いわゆる従軍慰安婦問題と、それから竹島問題でした。
日韓のネット交流サイトは、そのほとんどが韓国側の運営でした。また参加者も、少なくとも日韓チャットにおいては韓国人が圧倒多数でした。私は日韓翻訳掲示板の方はアカウントさえ取らず閲覧するのみでしたが、そちらも韓国人の方が多かったような印象を持っております。
しかしながら参加する個人の質は、圧倒的に日本人の方が上でした。しかも日韓ネット交流に定着した日本人たちは、決して多くはない人数でしたが、各自がただ知識を蓄えるのみならず、それを互いに共有するようになり、時間が経つごとに強力な集団になっていきます。
2年かそこらで韓国人が述べる日本毀損の主張については、そのほとんどがデタラメまみれということが韓国人の目にも明らかになっていきます。結果、日韓ネット交流は韓国にとって不利益と判断されたのでしょう。ほとんどの日韓ネット交流が10年と持たずに廃止(あるいは事実上の廃止)になりました。
その日韓ネット交流における「韓国人が述べる日本毀損の主張」の中で、比較的異質と言えたのが、この竹島問題でした。
日韓併合や教科書問題、いわゆる従軍慰安婦問題などは「日本が加害者」という前提で始まるストーリーでしたが、「竹島問題」については、日本には特別な加害行為がないのです。
日本が竹島の領有権を主張しているということだけで、韓国人にとっては十分過ぎる加害行為なのかもしれませんが、日韓ネット交流が始まった頃には、日本人側には竹島問題は周知されていませんでした。日韓併合や教科書問題、いわゆる従軍慰安婦問題については、日本人でも聞いたことぐらいはあり、左巻き日本人なら韓国人に謝罪するのも抵抗がないかもしれませんが、竹島については、問題そのものの存在を知らないのですから、謝罪を求められても呆気に取られるばかりです。
ですから、日韓ネット交流の場で、日本人が最初に竹島問題を提起したということは、確証はありませんが多分なかったのではないかと思います。
即ち、現在竹島問題が日本人に周知されるようになったのは、韓国側が「密約」を破るだけではなく、ネット交流において日本人に問題の存在を突き付け、韓国側の主張を認めるように迫ったことが最初の原因になったのではないかと私は考えております。
現在では、知らない人がいないほど有名になった竹島問題ですが、日韓のネット交流が下火になったことで、韓国人からの竹島問題議論を吹っ掛けられる日本人は、ほぼいなくなりました。喉元過ぎればなんとやらで、韓国人から直接吹っ掛けられなければ、なかなか実感として問題を認識出来なくなるのかもしれません。
ネットでは日本人に向かって気軽にドクトウリタンと叫ぶ韓国人ですが、実はリアルな交流においては、あまり露骨な態度は示しません。むしろ日本人側に気遣う態度さえ見せるほどです。そういう時間が増えてくると、日本人は再び竹島問題を忘れていくようになるのではないでしょうか。
竹島問題を日韓問題の縮図とすれば、竹島問題を解決することが日韓問題を解決する手がかりとなるかもしれません。そうでないとしても、領土問題はその領土の大小及び相手国にかかわらず重要です。
海によって、他国と隔てられている日本にとって、国境や領土という意識はなかなか深刻になりづらいというか、実感の持てないものではあります。しかし韓国ごときに領土問題で遅れを取れば、その他の国との間の領土問題交渉においては、更に退転を余儀なくされる恐れがあります。
「竹島問題は解決せざるを以て解決したとみなす」ではなく、「竹島問題を解決することによって、更なる日韓問題の解決を目指す」のが、今後の日本が目指す対韓方針ではないかと、痛切に考える次第です。