理想的朝鮮人国家
さて、金正日の死亡に伴い、金正恩が三代目を継承することになったのは、前回記事でも申し上げたとおりです。巷でも、その是非や成否について、ちらほらと論じられているようです。
ところで、北朝鮮は現在のところ、初代金日成以後、正日、正恩と独裁体制が世襲されているため、多くの人が「金一族=北朝鮮」と無意識にイメージしているフシがあります。
例えば、ある韓国人は「金日成が死んだ時、「これで統一になるの?」と思った」と言っていますし、日韓チャットの常連韓国人に聞けば「金正日が承諾すれば(南北)統一出来るのではないか?」と言っていた韓国人大学生もいたといいます。
今回も、とある「良心的日本人」による「金正恩の三代目継承は可能」という主張を読みましたが、その理由が「周辺諸国は北朝鮮を崩壊させたくないからだ」であったのには、失笑を禁じ得ませんでした。きっと金一族による権力の継承こそが、すなわち北朝鮮の存続だと思っているのでしょう。
当然のことではありますが、金一族と北朝鮮という国家は、イコールではありません。
北朝鮮が、事実上世襲制によって独裁政権を維持継続しているために、北朝鮮を「金氏朝鮮」と揶揄する人も少なくありませんし、それをもって北朝鮮を王制国家と勘違いしている人もいるかもしれませんが、初代の金日成は、その功績(ただし、伝説的英雄の「金日成」は複数名いたことがわかっており、いわゆる北朝鮮の独裁者としての「金日成」は、その「金日成たち」の功績を独占することによって、そのカリスマ性を確立させた)によって北朝鮮の指導者の地位についたわけです。決して「神」や「王」として君臨したわけではありません。
二代目金正日にしても、血統は後継の正式理由にはなっておりません。建前上はあくまで、「北朝鮮指導者の後継たるに相応しい優秀さ」が、金正日の二代目継承の理由です。
三代目にしても、無意識的な「血統崇拝」は当然あるでしょうけれど、それを前面に押し出して継承の正当性とすることは出来ないでしょう。
北朝鮮は確かに「金一族に私物化された国家」ですが、だからと言って「金一族が無ければ北朝鮮は成立し得ない」というわけではないのです。
想像するまでもなく、金一族を北朝鮮から排除しても、北朝鮮が北朝鮮として存続することは可能でしょう。むしろ今後北朝鮮が正常な国家として自立自存を目指すのであれば、あるいは本気で韓国との統一もしくは連合を目指すのであれば、北朝鮮から独裁者である金一族を排除し、民主化する方が「一般的には」望ましいはずです。
ここでわざわざ「一般的には」を強調したのは、こと朝鮮人に関しては、民主化が必ずしも良いこととは限らないからです。
彼ら朝鮮人は、成長過程において「自ら律する」ということを学びません。ですので、無制限な「自由」を与えられると、たちまち放埒な行動を始め、てんでばらばらに勝手なことをして収拾がつかなくなり、やがて破滅します。その例は、朝鮮や韓国の歴史を振り返れば、いくらでも出てきます。
ですので朝鮮人にとっては、常に誰か強大な者に抑圧され、「強制された」と不平不満を言いながら、与えられたお手本やノルマを何も考えずに写したりこなしたりしていればそれで良いという状態が、最も安心出来る環境なのではないかと思います。
かつて韓国が、今よりずっと抑圧や不自由の多かった国であった頃、確かに不平不満は多く見聞きしましたし、抑圧や不自由に対する内外からの批判も多かったのですが、当の韓国人たちは、今よりも精神的にずっと安定してたように見えます。
そういう意味で現在の北朝鮮は、「朝鮮人にとっては」不自由で抑圧されてはいても、精神的に安定して暮らせる悪くない国と言えます。ただ現在の北朝鮮では、「満足に食えない」ことが大きなマイナス要素だと思います。
もし今後、金正恩が北朝鮮の食糧問題を根本的に解決し、餓死者や栄養不良による病死者を劇的に減らすことが出来れば、金正恩の三代目継承は安泰かもしれません。
しかし報道によると金正恩は、金正日の先軍政治を継承すると言っております。これは言わば、金正日の行なった我と我が身を質にした瀬戸際外交を継続すると宣言したも同然です。となれば、北朝鮮の食糧事情は金正日時代と同様に推移する、すなわち根本的に解決することはないと考えるべきでしょう。
北朝鮮という国は、朝鮮人にとっては日本人が見るほど悪い国ではありませんが、食えないという点が根本的に改善されなければ、金一族による独裁の維持継続は困難だろうと私は考えております。
そういう意味で、そこそこ厳しい自由の制限と、とりあえず健康を維持出来るレベルの食糧供給がある国、すなわち、金日成時代の北朝鮮が、朝鮮人にとっての理想国家であったのではないかと思う次第です。
コメント
>金日成時代の北朝鮮が、朝鮮人にとっての理想国家であったのではないかと思う次第です。
揚げ足を取るような事を書いて申し訳ありませんが、その時代北朝鮮国民が喰えていたのは
ソビエト連邦やチャイナの援助があったればこそで、自分自身の力で理想郷を実現できていたわけではありませんよね(笑
精神的楽園
今回の考察は素晴らしい。目から鱗状態です。
記憶力偏重の受験勉強とか、軍隊規律などは彼らにとって精神的楽園なのでしょうね。
会津と薩摩の数倍の確執で生きる国
近代国民国家になる前に、数世代のあいだ異民族支配を受けていた国は立ち直れないようなことを、高山正之氏のコラムで読んだ記憶があります。
半島の人間が民族の正統性や起源にこだわるのも、ここ数世代の王朝の支配者が外来政権であることを知っているからなのかもしれません。
「李氏朝鮮」なるものも元帝国の残党たちが興した国ですし、新羅・高句麗にも中国や日本の陰が見えます。
出自の曖昧な支配者ほど、被支配者に自らの正統を強調しカーストの規範を強要します。
礼学を墨守する人たちは僅かな否定も絶対に許しません。地域間差別や本貫に固執する性癖もオールコリアの構成員として国民統合ができていないからなのでしょう。
本来ならば、聡明で慈悲深い「王」の治世のもと数世代のリハビリが必要なのでしょうが、彼らの内から誰もが納得する「正統な王権」が生まれないことが、朝鮮半島の真の悲劇なのです。
自分たちは不潔で愚かで貧しいから統治する価値はないよと他国に思わせ、
自ら混乱し他国をも混乱させる。何もかも混沌に陥らせようとする。
民は、愚かで安定しないトップに支配され搾取される事が前提になってしまっていて、
貧国弱兵を目指すように隅から隅までチューニングされた国。
日本人の仏教観でいう所の餓鬼がうごめくイメージの国。
もういっちょ。
【ソビエト連邦やチャイナの援助があったればこそで、自分自身の力で理想郷を実現できていたわけではありませんよね(笑】
加えて、日本が残していった財産。ダムとか工場とか田畑とか・・・。
金氏朝鮮
と言うと王朝イメージが付き、
優雅な国家に思えてしまいます。
ここは「金治朝鮮」でどうでしょう。
安定が第一
チョーセン人の心の安定には身分差と抑圧が一番との卓見、完全に賛成です。食えなくて人口が減るのも彼らの選択です。それもまたエコなことです。明治の日本の失敗を二度と繰り返してはいけません。
ネットで今年になって、彼らの卑しさをしりました。本当、卑しいという言葉ってこういうときに使うんだと驚いたくらいのカルチャーショック。
しかし、それが形成されるには、国の在り方などが原因してるんですね。
まー、どーでもいいので、もう日本に関わらないでほしいです。新手のモグラたたきのようにすきあれば、なんも考えなしに、テレビに出てきてうざい。