実態や事実がどうあれ
例えば、呉善花女史や黒田勝弘産経新聞ソウル支局長などがインタビューした韓国人には、飲み屋やキャバレーの女が多かったそうです。自身の心境や現実を赤裸々に語る彼女たちの言葉は綺麗でも上手くもありませんでしたが、リアルではありました。
ところが、それらの本が出版されると、著者のもとには韓国人からの苦情が届くようになったといいます。曰く【なぜわたしたちの意見を聞かないのか。彼女らに韓国を代弁させてもらっては困る、筆者の筆はかたよっている!】というものだったそうです(黒田勝弘著「ぼくのソウル白書」より)。
ここに登場する「わたしたち」とは、韓国で一二を争う名門女子大学「梨花女子大」の学生のことです。
似たようなエピソードは、確か呉善花女史の「スカートの風」シリーズのどれかでも見かけた記憶があります。
韓国で一二を争う名門女子大学というからには、「梨花女子大生」は明らかに韓国における絶対的少数派でしょう。にも関わらず、「梨花女子大生」の意見こそが韓国を代表する意見であり、市井の泥にまみれたような飲み屋の女や下宿のおばちゃんの意見などは、どれほど多かろうとも「韓国を代表する意見」には絶対になり得ないというのが、韓国人の主観なのです。
当然その基準は、知識階級であるか否かでしょう。しかもその意識は、知識的上層階級である梨花女子大生の主観だけではありますまい。飲み屋の女や下宿のおばちゃんたちの意見を韓国人全般の意見として紹介しようとすれば、飲み屋の女や下宿のおばちゃんたちはきっとそれを拒否するはずです。
これまた前述の黒田氏著「ぼくのソウル白書」で次のように書いています。
本にもしばしば引用させてもらった延世大近くの「新村」の行きつけの飲み屋にいったとき、店のマネージャー氏も「クロダ氏よ、これから本を書くときはわれわれのことを書いてはいけないよ。本の品格が下がるからね」というのだった。 |
これを黒田氏は本の中で「韓国の伝統的な知的風土」と評していますが、「知的」かどうかはともかく、「伝統的」であるのは事実でしょう。
日韓チャットでも、いろいろ寝言レベルの発言をする韓国人に「それは韓国では一般的な意見か」と問えば、10人中9人ぐらいまでが尻込みします。逆に、自分の意見が韓国を代表する意見であるという自信のある韓国人ならば、こちらから聞かずとも自分の意見がどれだけ素晴らしいのかを、学歴や権威によって裏付けようとします。
今も昔も、韓国において発言可能であり、且つ「韓国の記録」として残れるのは、韓国人の主観的に【誇らしい】と感じ得た人や物事に限られます。
だから李朝期以前の朝鮮庶民の記録などというものは、極めて少ないのです。また、韓国人自身も積極的それらを探そうとはしませんし、それを研究しようとする韓国人もあまりいません。それが何かの弾みで外国(ことに日本)から高く評価されでもしない限り、まさに「眼中にあらず」「存在ごと無視」という扱いなのです。
しかもそれは黒田氏が記したように、見下す「上層階級」の人々の意識だけではなく、見下される「下層階級」の人々も同じ意識なのです。見下される「下層階級」の人々がそのまま自分たちを誇ることは、ほぼありません。「下層階級」の人々が自ら誇るためには「下層階級」のままでは不可能で、どうしても、たとえ嘘でもでっち上げでも、自分を「上層階級」であることにしなければならないのです。
李朝期の身分制度など消滅している現在も、彼らのほぼ全てが元両班であることを名乗っているのはそのためでしょう。自ら常奴や白丁の出身であることを認めれば、彼らは自分自身を誇ることは絶対に出来なくなるのですから。
よって「実態や事実がどうあれ」、彼らは常に彼らの理想的な韓国や韓国人を語ります。
もちろん韓国人も韓国の理想ばかりではなく、悪く言うことはあります。しかも結構しょっちゅうです。が、それは「韓国を的確に分析し批判出来る賢く正しく偉いウリ」と言いたいだけですから、うっかりその内容に同意すれば、後々それを根に持たれる可能性は高いのでご注意ください。
韓国人は韓国人自身によって複雑にねじれ、かき混ぜられています。韓国の「実態や事実」の調査や考察ももちろん重要ですが、それを韓国人がどのように扱っているのかが、韓国人考察においては最重要だと、私は考えています。
コメント
その結果が
I'm Zapaneju.になると
呉善花氏の講演で抗議というより文句を付けたあげく「彼女より自分の意見に従うべき、なぜなら自分の出身大学の方が上だから」と言い放って聴衆をあきれさせた若い韓国人の話がありましたね。
こういうタイプは日本含め他国に皆無とはいえませんが、少数派だし公の場で声高に主張をする人は、ほとんどいないでしょうね。
李朝時代からというより、有史以来全然変わってないんだろうな。
確かに飲み屋さんやバーで働く方の意見が国民全体の意見という訳ではないですが(笑)、エリートの声「だけ」を取り上げろ、というのも外面重視の韓国らしいですよね。
個人的にはどの階層の方もまんべんなく報道して欲しいです。エリートの人はこうだけど庶民の意見は…と色々な面が分かりますから。自国の問題点を外国人に言われるのは恥ずかしいものですが、自分たちを客観視できるのも大事ですよね。
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朝鮮系の人と同様、サヨク的な(あくまで「的な」)主張をする人も、
権威主義が多いと感じることがあります。
友人の医者が云々と、医学と関係ない話で言い出したり、
知り合いに研究所関係がたくさんいると言い出したり。
んでも、本人は私の脳内ソースだけで論破される程度のモノ知らずだったり。
みくしいで、何度かそういうのにお会いしました。