十年一昔と安保法案
「十年」と言えば韓国絡みでは「永遠の十年」でしょうか。韓国で広く信じられている「十年後には日本を追い越す」というものです。これがいつから言われ始めたのかは正確には知りませんが、恐らくソウルオリンピックの誘致に成功した辺りぐらいからではないかと推測します。
私が日韓チャットを始めた頃(2002年)も、弊ブログを開設した頃(2005年)も、韓国人は「十年後」を嘯いていました。多分今も韓国人は「十年後」を信じているのでしょう。思うに韓国人は、言葉に意味があるということを理解していないのと同じく、時間の流れと長さについても理解していないのかもしれません。
さて安保法案関連で喧しい今日この頃です。巷ではこの法案を「戦争法案」と呼んで、一所懸命印象操作に励んでいる一派がいるようです。
私はこの法案に関しては、消極的賛成派です。「積極的」でないのは、その内容を詳しく理解していないからです。内容を詳しく理解していないのに賛成しているのは、ひとつには日本が「戦争出来る国」になることを必ずしも悪いこととは思っていないからです。
以前も申し上げましたが、「戦争出来る国」と「戦争する国」は必ずしもイコールではありません。また他国から見れば「戦争出来ない国」とは、「蹂躙し易い国」そのものです。私は戦争も嫌ですが、侵略や虐殺に遭うのはもっと御免ですから、日本は「自ら進んで他国を攻めることはないが、他国に攻め込まれたら自力で立ち向かえる国」であるべきだと思っています。
私が安保法案に賛成するもうひとつの理由は、韓国を含む特亞がこの法案に強く反発しているからですw
中国や北朝鮮が反発するのは、まだ理解出来なくもありません。彼らは言わば敵方だからです。しかし米国を介した間接同盟国であるはずの韓国が、何故日本の安保法案に反発するのでしょうか。同じ陣営に属するのであれば、いざという時に共に「戦える国」と「戦えない国」なら、「戦える国」が多い方が心強いはずです。事実、特亞以外のアジアや欧米では、日本の安保法案を歓迎している国も多いと仄聞します。
ところが日本の安保法案に対し韓国は不快感と警戒心を露わにしています。韓国政府が反発を公式表明するのはさすがに立場上出来ないようですが、韓国言論は、日本における安保法案反対デモに好意的な記事を載せ、連日のように安保法案反対派に肩入れする内容の論評を掲げています。
これは即ち、安保法案が韓国にとって都合の悪い法案であることを示唆しています。日本と同じ陣営であるはずの韓国が、「日本は戦争出来ない国である方が良い」と考える理由は何でしょうか。
考えられる理由はふたつあります。ひとつは、「戦争出来る国になった日本が、再び武力で韓国を侵略するかもしれないという懸念」です。日本の安保法案に反対する韓国人にその理由を尋ねれば、恐らく10人が10人、そう答えるのではないかと思います。
韓国人は、韓国を最高の価値ある国と教えられており、かつて日本が韓国を併合したのもそのためだと教えられております。
もちろん、全ての韓国人が本気で心の底から韓国を最高の価値ある国と思っているわけではありませんが、韓国人の多くが「日本人は韓国を最高の(少なくとも熱烈に羨望する程度に)価値ある国と思っている」と信じているのは恐らく事実です。それは韓流捏風の頃の韓国人の態度を思い出せば、実感としてご理解いただけるでしょう。
あの頃彼らは、日本人に向かって「友達になってやる」と言わんばかりの(実際そう言ってた韓国人も結構いましたw)態度でした。日本人は韓国に憧れ、韓国人の友達を渇望していると彼らは信じていました。それは彼らが日本に憧れ、日本人の友人を渇望していたことの裏返しだったのですが、それを自覚する韓国人は皆無でした。
2006年に韓国でヒットした映画「韓半島」の設定においても、日本は朝鮮半島における権益を主張していましたから、「日本は韓国に対し侵略意図を隠し持っている」とかなり本気で信じている韓国人が一般的なのは、確実だと私は考えています。
もうひとつの理由は、「日本が戦争出来る国になったら、韓国が日本を侵略し難くなるから」だと私は勘繰っています。
韓国人が「日本は韓国に対し侵略意図を持っている」と考えるのは、彼らが日本に対し侵略意図を持っていることの裏返しです。これは単なる憶測ではありません。既に韓国は竹島を侵略していますし、対馬を狙っていることも公言しています。当然それだけで満足する彼らではありません。最終的に日本全土に対する侵略意図を韓国が持っているのは、ほぼ確実です。
そのためには日本が武力を行使出来ない国である方が、韓国にとっては明らかに都合が良いわけです。
いずれにしても、日韓間の安全保障に関する齟齬や葛藤は、日本と韓国が同じ陣営にあると思っているから起きるものであって、日本と韓国は同じ陣営にはないのだと考えれば、全て解消されるものだと私は考えています。
安保法案の成立に伴い、今後私たち日本人は、「戦争出来る」と同時に、「戦争しないための努力を尽くす」ことを求められるようになります。そのためには、敵味方の区別を明確にし且つそれを周知し、敵には敵に応じた態度、味方には味方に応じた態度を取る必要があるでしょう。敵にも味方にも同じ態度を取れば、双方からの信頼を失い、双方から攻撃される恐れがあるからです。
「敵には敵に応じた態度」とは、必ずしも「敵」を攻撃することではありません。まず何よりも「敵に背中を見せないこと」、即ち「敵に付け入られる隙を見せないこと」が重要です。思えば日韓国交正常化以後、日本は韓国に何度背後を襲われたでしょうか。
弊ブログ開設十周年と安保法案の成立が同時期という偶然は、日本と韓国が同じ陣営であるという意識を捨てる時期なのだという啓示なのかもしれないと思った次第です。
コメント
ブログ開設10周年おめでとうございます!!
10周年おめでとうございます。記念書き込みさせていただきます。
今頃なのですが、イザベラ女史の朝鮮紀行を読んで感じたことがありました。
120年前の紀行文なのですが、そのなかに白衣で地べたに座して生活する
ソウルの民草の描写があり、そのころから、一般のソウル市民は日本人街の
日本人を嫌っていると書かれてありました。 その理由を女史は、この時代
からさらに300年前の秀吉の襲来にあるようだとしています。
日ごろからの彼らの性癖からそこに住む日本人が一般市民と距離を開けて
いたのは理解できますが、無教養、文盲の一般市民が300年も前の歴史
に通じていたことに違和感と興味を感じました。
推測ですが、この300年前の戦は、当時の無学な彼らが唯一誇れる実話に
基づいた武勇伝で、あたかも日本で「ももたろう」の話を子供に聞かせるように
口伝で地べたに座りながら、年寄りが言い聞かせ伝えてきたのではないかと。
その中で「侵略者倭奴、勇敢に戦う我が兵、助けにきた明兵」という構図の
ドラマが当時の彼らの心のより所としてあり、それが今も引き継がれている
のではないかと感じております。
これからものぞきに来ます、がんばってください。
韓国人と時間
>思うに韓国人は、言葉に意味があるということを理解していないのと同じく、
>時間の流れと長さについても理解していないのかもしれません。
このブログ記事を思い出しました。
minaQのつぶやき『レンジで"チン"が待てない韓国人』
http://blogs.yahoo.co.jp/illuminann/12563986.html
韓国人については知り抜いているつもりでしたが、
・・・甘かった・・・
この記事ははっきり言って衝撃でした。
fetiaさんすら驚くんじゃないでしょうか?
「ストップウォッチ3分経ったらとめて。表示見ながらでいいから」と指示しているのに、
2分半になる前に止めてしまう韓国人がほとんど・・・
10周年、おめでとうございます o(^o^)o
過去ログを拝見しますに、思いっきり親韓ムードが
吹き荒れていた頃から執筆を続けておられて、
ずいぶんとわが国もマシな方に動いてきたと思われますが、
それなりの感慨をお持ちなのではないですか。
まぁ、朝鮮韓国が頼まれもしないのに、
わざわざタカり・嫌がらせを大々的に行って、
意識の低い人でも否応なく
「朝鮮韓国って、ダメなひとたちなんだ」
って認識を広めてきた、自滅の側面もありますがね(笑)
いずれにせよ、断交のその先まで、執筆を続けてください。
日本人はほだされやすく、忘れっぽいので(鬱)
イザベラ・バードが最初に朝鮮を訪れた1894年の前年、1894年(明治6年)に明治政府が朝鮮との自由貿易のために三井組の手代を釜山に派遣したところ、大院君が「彼ら(日本人)の所為を見るに無法の国といえる」という張り紙を倭館の門前に張り出したとあります。別に伝承がなくても、習俗・風習が違う奴らはアウトだったんでしょう。
十周年おめでとうございます。
ブログ主様のテンポのいい理論的な文と思考はいつも感心させられます。
感覚的に、日韓WCあたりからやってたような覚えが有ったので、改めて自分の記憶のいい加減さに呆れた次第。
韓「友達になりましょう
日「わかりました。
韓「ではまず謝罪してください。
自分を特亜ウォッチャーたらしめる会話文の初見の衝撃から、随分と時間が経ったんだなぁ
10thアニバーサリー、おめでとうございます。
3日に一度の更新はなかなか大変だと思います。
月見櫓さんは他所とは少し分析の視点の深さが違うので、とても参考になります。
>日本と韓国が同じ陣営であるという意識を捨てる時期なのだという啓示なのかもしれないと思った次第です
本当ですね。鈴置きさんの記事ではもう後戻りできないとされてますが、シナ側確定といえる出来事があるまでもう少し中共崩壊を待って欲しいくらいの気分です。
お愛でとうございます
おつかれ様で御座居ます
日本の天命が完うされますように
日本の人々が真理に目覚めますように
十周年おめでとうございます。
自分が拝読させて頂くようになったのは2009年頃だったかと思います。その後長い事読ませて頂いているつもりでしたが、半分程度だったんですね。10年とは本当にすごい!
これからも末永く(朝鮮人のアレな感じからネタ切れを嘆いておられ出はありますが(^^;))続けて頂けましたら嬉しいです。
10 周年おめでとうございます。
これから月見櫓の益々の発展をお祈り致します。
さて今回の記事を拝読し、『「戦争出来る国」と「戦争する国」は必ずしもイコールではありません。』の説明は流石だと思いました。
私の周りにも右翼ではないものの、強過ぎる反省教育の影響でしょうか、安保法案の可決に疑問を持つ人が少なくありません。
私が「それでは中国侵略などについては、どう対応すればいいと思ってるのか」と聞くと、「いや、あの強引な可決の仕方はダメだと思うのであって....」と、解決方は見つからないものの、やはり戦争はダメだという観念に囚われているようでした。
私はその時「戦争をする国とできる国」の違いをもっと明確に説明できれば良かったと思います。そして悪意を持ち日本を侵略する相手にすら抵抗を封印しろと言わんばかりのこの国の教育方針に、大きな疑問を持ちます。
10周年、お骨折り本当にありがとうございます。
十周年おめでとうございます!
過去に、差別の意味をこのブログで理解できた者のひとりです。
管理人さんや、日韓チャットの常連さんたちのコメントを読んで、半年くらいかけて差別という言葉の意味を理解できました。
あの日から世界が一変するくらい、物の見方が変わりました。
これもひとえに、管理人さんがブログを続けてくださったからこそだと思います。
韓国の事に対してだけでなく、文章の構成や、日本語の使い方もブログで学べるところは月見櫓を置いて他にはありません。
これからも楽しみに月見櫓ブログ読んで勉強していきますので、無理をなさらない程度に続けて下さい。
おめでとうございます。私の韓国人観に相当な影響を与えて下さった方です。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。管理人さんの容赦ない(!)スタイルがこれも相当数の日本人の安全に貢献しているのだと思いますw。
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初めて書き込みいたします。
お祝いが遅れましてごめんなさい。
なんと!満10周年ですかっ!継続、おめでとうございます。
10年経っても興味パワーの活気が満々、思考を表現する文章力は
読み手にも理解しやすくなっており、本当にお世話になっております。
まだこちらを読み始めてから年数が浅いのですが、これからも学びながら
楽しく拝見させていただきます。
10周年おめでとうございます。
安保法案私は積極的賛成です。
人様に説明できるほど詳しい訳ではありません。しかし、傭兵国家は歴史から消えると思ってますから、まず戦争できる国になる為に70年後の今やっとスタートにたった
と思っています。私も平和を100年も150年も刻んで欲しいと熱望してます。
戦争できない国よりも戦争できる国がいいと思うなんて、人様の前で言えたらどんなにいいか。もうレッテル貼られて友達失くすような雰囲気でした。NHKもマスコミもね。この記事で誤解が少ない言い方を学びました。ありがとうございました。