ウサギおいし かの国(North)
このニュース、実はネットではもっと早くから流れておりました。例えば朝鮮日報では1月12日付けの記事です。
さて、北朝鮮が恒常的な食糧不足にあえいでいることは、既に皆様もご承知のことでしょう。もっとも、あえいでいるのは庶民ばかりで、独裁者の金正日とその眷族は、糖尿病を心配しなければならないほど食っているようですが。
さておき北朝鮮の人民が食糧難に苦しんでいるのは紛れもない事実です。食糧難は慢性的な栄養失調を招き、栄養失調は万病を誘発します。栄養失調で抵抗力が落ちた者には、霜焼けすら命取りになることがあります。おそらく北朝鮮の死亡原因トップは、栄養失調に起因する諸疾患でしょう。
北朝鮮の緯度は日本の秋田と同じぐらいで、かろうじて温帯に属するものの、農業適地とはお世辞にしか言えません。ギリギリなんとか農業が出来ないこともないというレベルで、米作は不可能ではありませんが、もちろん不適です。
かつて北朝鮮では、農作物の収量増加を狙って田圃の畦を埋め、山の斜面を耕して農地を増やしました。田圃にはみっしりと隙間なく苗を植え、山を削って作った畑にはジャガイモやトウモロコシを毎年のように作付けしました。
稲は密植すると生育が悪くなり収量が落ちます。ジャガイモやトウモロコシは、激しく地味を奪い連作障害を起こします。山を削って農地を広げたために、山の保水能力は損なわれ、雨が降らなければ水が無く、降れば降ったで洪水になります。
農業は、家庭菜園程度のものでもやったことのある人ならお分かりいただけると思いますが、場当たり式にやっていても決して成功しません。まず、天候というわけのわからないものを相手にしなければなりません。農業経験者であっても、播種や施肥のタイミングを間違えれば収量を大きく減らしてしまうことは珍しくないほどです。
それなのに、北朝鮮では農業のど素人である金日成や金正日が農作業に口出しし、さらに同じくど素人の上層部がそれに迎合しておりました。その結果、当然収穫は激減しますが、それを正直に報告すれば比喩でなく首が飛びます。
だから「金日成頭領様のご助言のおかげで収量が倍になりました」「金正日将軍様のおかげで作物の大きさが倍になりました」などと、嘘半万を報告します。その報告を元に、翌年の計画を立てます。計画の元になる報告が間違っているから、立てた計画も当然間違っています。間違った計画を元に播種、施肥、収穫を行なって上手くいくなら、農学も農業経済学も要りません。
さてウサギです。1匹で7kgの肉が取れるそうです。で、兎は生後6ヶ月で出産が可能なんだそうです。一年に60匹を出産するそうです。
農業の素人でもすぐに思いつくことではありますが、実は畜産は農業としてはかなり非効率的です。牛肉1kgを生産するためには、穀類が11kg、豚肉を1kg生産するためには穀類が7kg、鶏肉を1kg生産するためには穀類が4kg必要なんだそうです。兎肉1kgを生産するためには、おそらく少なく見積もっても穀類が2~3kgは必要になることでしょう。
極めて少なく見積もったとしても、兎肉1kgを生産するためには2kgの穀類が必要になります。そして兎肉の生産を高めれば高めるほど、穀類の消費は激しくなります。今食える2kgの穀物が1kgの肉になるまでには、少なくとも半年が必要なわけです。
モンゴルやアラブなどの農業不適地で遊牧民が牧畜をしているのは、人間の食用に適さない雑草を羊や牛や馬に食わせ、その肉や乳を人間の食用にするためです。穀類が取れる地なら、それを素直に食った方がはるかに効率が良いのです。
それにドイツから持ち込んだ兎が北朝鮮の生態系を狂わせる可能性も充分に考えられます。そうなれば、北朝鮮の食糧事情は破滅的な打撃を受けるでしょう。
外交官たるもの、目先の肉に惑わされず、大所高所から見た国家経営をを考えるべきです。いや、普通はいくら北朝鮮といえども、それくらい考えているでしょう。つまりこのニュースは、最早在外の外交官でさえ目先の肉に惑わされるほど、北朝鮮の食糧事情は悪化しているということを示唆するものです。
でも、結局ウサギでもトウモロコシやジャガイモの時と同じ轍を踏むのではないかと、誰もが思うのではないかなと思った記事でした。
しかし、いくらなんでも外交官たる者がウサギを見て「肉、肉、肉」って・・・。
※お知らせ※ |
1月22日から2月22日までの1ヶ月間、弊ブログでは、ブログ「フィオリーナの以心伝心」の執筆者、小林少年様主催の「竹島プロジェクト」に参加しております。 2月22日の「竹島の日」までの期間限定で、弊ブログの扉絵を竹島プロジェクト仕様にすることで、竹島は日本領土であることを改めて主張し、島根県の「竹島の日」を応援します。 |
コメント
某巨大掲示板でも書かれてましたけど
多分増やす前に食われるんじゃないかと・・・w
体制崩壊
管理人殿のおっしゃる通りです。
どんな妙案を思いついたとしても自転車操業的な国家維持は
避けられないでしょうね。
それにしても北朝鮮国民は本当に哀れです。
タイトルの意味。
うさぎ追いしじゃなく、うさぎ美味しなんでしょうか・・・。
動物は小さいほど体温が高く、体積に比して多量の食べ物を要するそうです。しかし同時に寿命も短いのでトータルすると、どっちが損が少ないか、判りませんが…(どなたか計算してみてくれません?)。
でも、うさぎは牛や豚・羊に比べて、非効率的かもしれませんね。私の見た感じでは、豚が一番効率的のようですが(人間の残飯や糞を食べてくれるし)。
古くからの文化的生活基盤をもたない朝鮮人らしい決断です。
農業も難しいですが畜産もかなり難しいですよ?
現在12匹羽ですか、将軍様の試食で何羽へるやら。。。
北の知識が世界から酷く遅れている話しがジェンキンス氏の著書「告白」に書いてありました。ジェンキンスが丈夫な壁を作る為にレンガを互い違いに積んでいたら傍で見ていた北の住民が「大発明だ!!」と感心したそうです。北ではレンガを、ただ縦に積み上げて壁を作り、それを連結させるそうです。ジェンキンス氏もあまりの知識の無さに呆れていました。
昔読んだ本
タイトルも著者も忘れましたが、子供の頃に読んだ本を思い出しました。
動物好きな主人公は、兄弟と一緒に色んな動物を飼うのですが、ついでに
それを繁殖させて売って小遣い稼ぎも目論みます。しかし所詮子供の浅知恵
で、いつも散々な目に遭います。巻き毛のモルモットを飼った時もそうでした。
近所のペットショップで高値で売られていた巻き毛のモルモット。これを自宅で
飼って繁殖させ、売って小遣いを稼ごうと企みますが、モルモットなんてそんなに
簡単に売れるものではありません。
しかもモルモットはねずみ算式に増えます。
最初はどんどん増えるモルモットに喜んでいた主人公たちも、やがてモルモット
の餌を確保するの苦労します。餌を金で買う余裕がない彼らは、近所の河原で
雑草を刈り、それをモルモットの餌にします。
夏は、雑草も豊富に生い茂り、それほど苦労はしなかったのですが、冬になる
と雑草といえども、その多くは枯れ果てます。
主人公たちは真冬の河原に出て、寒さに震えながら地べたにへばりつく草を
刈ります。寒さと冷たさに苛まれながら必死で刈り取ってきた草は、大量の
モルモットたちにあっと言う間に食べ尽くされます。彼らが毎日刈るので、だんだん
草の生えている場所も減り、草を刈る範囲をどんどん広げないと必要な量を
確保することが出来ません。
これが冬の間中、毎日続くのです。
確か、最後には、主人公たちはギブアップして、モルモットをペットショップに
タダで引き取ってもらったんじゃなかったかなあ・・・。
>北ではレンガを、ただ縦に積み上げて壁を作り、それを連結させるそうです。
我々が互い違いに積むのは別に「その方が強いという事前の知識」によるものではなく、レンガが互いに拘束しあう様に積んだ方が強そうだという、子供でも出来る洞察によるものではないでしょうか。僕も幼児の頃、積み木をその様に積んでましたし。
北朝鮮の人は知識が無いのではなく、単純に頭が悪い様な気がします。
栄養が頭に行かないんですかね。或いは、朝鮮民族の民族的な遺伝(ry
旧ソ連で似たようなことがありました。
ルイセンコで検索したら出ると思います。
簡単に概略。20世紀初頭、生物科学は「先天遺伝」「形質遺伝」で
学説が別れていました。DNAなどわかってない時代でしたが、経験的に
簡単に形質は変わらないという学説が優勢です。
つまり、先天的なものは環境だけでは変わらないってことです。
これに対してソ連の科学者のルイセンコは環境で形質は変わる。やりかた
次第。その説が共産主義とふうだったものでスターリンに気に入られ、あっと
言うまにソ連の生物科学のトップ。そしてルイセンコがやったことは反論する
学者の粛清です。この粛清は徹底したもので、ソ連は生物科学において100年遅れと言われ、実際に戦後になっても有名な学者はいません。
北朝鮮はソ連以前でしょうけど。
素人が思いつきでやって成功できるなら、すでに、どこでもやってる。
偉い人で無知な人ほど、思いつきを自分が初めてやったと思い込む。
ソ連の場合、スターリンは武器に関わる科学と芸術に関しては保護したと
思う。しかし、科学一般には興味無かったんだろう。まして生物科学は。
ルイセンコに反論して粛清されたくないから、くだらない思いつきでも賛成する。まともな科学者は亡命。ソ連の生物科学は壊滅。バカがトップだとこうなる見本です。
初めてコメントします
北朝鮮で作っているトウモロコシはたしか
ビートだったと思います
ちなみにこれは北海道でも作れますが
食用ではなく
牛の餌用です・・・
ビートは「甜菜」のことで、砂糖の原料になる農作物です。
北朝鮮で作っているのは「デントコーン」では?
横入りですが。。
デントコーンは、トウモロコシですが実が小さく(猫の前歯ほど小さい)甘く
なく、北海道では家畜飼料として作られています。ちなみにデントコーンは
背が高く、実は細くて人間用との違いは見ただけでわかる人はわかる。
ところが、わからない人もいるわけで、夏の北海道の国道沿いのトウモロ
コシ畑は軒並み取られた時代もあったそうです。あんなもの取って人間が
食べても美味しくないのにと農家の人が言ってました。その時代は北海道
にカニ族(知らない人多いよね)とかいた時代ですから、現地調達(畑泥棒)
が多かったのですね。デントコーンはほっといても育つくらい丈夫だそうです。
ビートは砂糖の材料にするしか使い道は無いです。戦後の日本で砂糖は
貴重品でしたから採算が取れたのでしょうが、輸入で安い砂糖が入って
北海道のビートは壊滅です。沖縄のサトウキビも似たようなものでしょうが、
沖縄の黒糖ほどのブランドも無かったわけですし。
すいません 何を血迷ったかビートと
デントコーンを間違えました
失礼しました
アホか自分
>>匿名さん
知ってますよ。カニ族、子供時代には帯広駅にカニ族用の宿泊施設ありました。
デントコーンは飼料用。まあニワトリなんかのエサ用
ンなの盗んでたのは知りませんでしたwww 食えんぞ
ビートは砂糖大根、軍事物資のひとつだったから製糖工場のある北海道はねーまあ色々と・・・
和菓子用の和三盆糖はサトウキビ糖を精製して、その過程で出来る黒蜜。甘味処がお好きな人には分かるわね。あ、ラム酒もだっけ。
グラニュー糖はビート系
>maruさんへ
和三盆は黒蜜ではなくて、黒蜜を抜いた、非常に手間のかかるきめの細かい高級な白いお砂糖では?
甘いもの好きから、ちょっと一言でした。ごめんなさい。(記事には関係ないけど…)