「配慮する私」に酔う人たち
ニュースでも「韓国に配慮して云々」という文字がちらほら見えて、ただでも暑くてげんなりしてるのに、更に身体の芯から力が抜けていく気分がします。
ところで、時々競走馬が骨折して、そのまま安楽死処分(日本の場合は薬殺がほとんどですが、欧米では銃殺が多いらしい)となることがあります。競走馬に限らず、馬関連では結構よくあることですが、よほど有名な競走馬や有名な騎手が関連しない限り、滅多に報道されません。
実はこの7月18日に、新潟競馬場名物の直線1000mコースを使ったアイビスサマーダッシュという重賞レースで、このレースの3連覇を目指したカノヤザクラという牝馬が故障を発生し、予後不良(=安楽死処分)となっておりますが、やはりほとんど報道されてなかったようです。
馬に関心があり、ちゃんとした馬に関する知識を持っている人なら、馬の重篤な骨折が安楽死になる理由を痛いほど理解しているので、そのこと自体を問題視することは全くありません。
ところが「よほど有名な競走馬」や「有名な騎手が絡んだ場合」に、この手のニュースが流れると、ほぼ必ず、普段全く馬に関心を持ってない(ゆえに馬の知識もろくにない)人が「可哀想」とか「残酷」と言うのを目にします。
「たかが骨折ぐらいで殺すなんて」とか「今まで散々走らせておいて、故障して走れなくなったら殺すのか」というのが、そういう人たちの主張です。
「たかが骨折」と言いますが、馬の骨折は人間の骨折とは全く意味が違います。馬の身体は、4本の脚で分担して体重を支える構造になっています。横たわることもありますが、基本的には寝る時でさえ立ったままです。何故なら、馬は体重があるので、横たわるとすぐに床ずれを起こすからです。ですから骨折しても、脚に負担をかけないために横になるということは、まずありません。稀にありますが、その場合は数名のスタッフが24時間つきっきりで、2時間おきぐらいに人間の手で馬に寝返りを打たせて床ずれを防ぐ必要がありますし、そこまでやっても床ずれが出来ることが多いので、余程の事情がない限り立ったままです。
もし1本の脚が骨折して体重を支えられなくなると、残る3本の脚に過負荷がかかります。骨折した脚が癒えても、過負荷がかかった脚の血行が悪くなり、やがて蹄から腐り始めます。
更に草食動物の馬は腸が大変長く、健康な馬でもしばしば腸内で内容物が滞って、疝痛と呼ばれる腹痛を起こします。人間も運動不足だと便秘になりやすいように、馬も運動不足になれば更に疝痛を起こしやすくなります。疝痛は軽度であれば、適切な処置で比較的容易に治まりますが、馬の観察を怠って長時間放置すれば、やがて腸重積や腸閉塞、腸捻転を併発し、馬を死に至らしめることがあります。疝痛の際の「適切な処置」とは、疝痛が軽度のうちに馬を歩かせ腸の蠕動を促すことですが、骨折した馬の場合はそれが出来ません。
あるいは骨折箇所の痛みで暴れたり、馬自身が骨折した箇所に噛み付いたり、わざと骨折箇所を壁などに叩きつけたりして、自ら怪我を悪化させることも珍しくありません。
そうなれば、莫大な治療費を注ぎ込み、何十名ものスタッフを動員し、何よりも馬自身に耐え難い苦痛(痛みで発狂する馬もいると言う)を数日、場合によっては数カ月も味合わせた挙句、衰弱死させることになります。
それでも安楽死の方が残酷だと言うならば、そう言う人自身が莫大な治療費と人件費を負担し、馬が痛みに狂うほど暴れのたうち、無残に痩せ衰え、痙攣しながら死んでいくまでを間近で見守ってやれば良いと思います。
故障そのものの治療は可能ですが、競走能力を失ったから肉にするという場合も、実はあります。
走れなくなった馬の使い道は、そんなに多くありません。何しろ馬は、ペットとして飼うには大き過ぎる生き物です。おとなのサラブレッドなら体重はおおよそ450kg前後、体高は約160cm前後が標準的でしょうか。
馬小屋はどんなに小さくても4畳半ぐらいのスペースを必要としますから、マンションにお住まいの方だと、まず飼うことが出来ません。牛飲馬食と言うぐらいですから、食費も相当かかります。たくさん食えばたくさん出すのは当然ですから、馬糞の処理も考えなければなりません。試したことはありませんが、量的にも質的にも(草食の馬の糞は、繊維質が多い)、水洗トイレに流すと詰まるのではないかと思います。サラブレッドは肌が薄く不潔な環境に弱いので、糞尿にまみれた馬房の掃除は、朝晩必須です。
その上前述したように、馬の運動不足は生命に関わる場合がありますので、毎日数時間は運動させてやらなければなりません。朝晩30分の犬の散歩でもうんざりする人には、絶対に無理でしょう。
故障で競走能力を失っても、血統がずば抜けて良いとか、無敗の三冠馬とか、有馬記念を3連覇したぐらいの実績があれば生産牧場で繁殖用馬にすることも出来ますが、そうではない馬を治療しても、前述したようにペットにするわけにいきませんから、農耕馬としての使い道がほとんどない現在では、あとの用途は乗用馬ぐらいしかありません(馬車馬や研究用馬としての需要は更に低い)。
ならば乗用馬にすれば良いじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、競走馬を乗用馬にするのは、決して簡単なことではありません。例えて言うなら、F1レースでプロのレーサーが乗ってた車を、公道で免許取立ての素人でも乗れるようにするようなものです。
日本のサラブレッドは、往時と比べればずいぶん生産数が減りましたが、それでも年間7500頭近く生産されています。その多くは、完璧に健康でも、競走馬として勝ち残ることが出来ません。そんな馬が何千頭もいるのに、競走能力を失うほどの故障を抱えた馬をわざわざ治療して、更に手間暇かけて乗用馬にする奇特な富豪が、日本に何人いるでしょうか。
と、ここまで説明すれば、馬に関心がないくせに馬の安楽死処分と聞けば可哀想だの残酷だのと非難がましく言う人にも、何とか故障した馬の安楽死処分が決して残酷なことではなく、やむを得ないことだと理解してもらうことが出来ます。
ところが馬に関心のない人は、これだけの説明を最後まで黙って聞けません。仮に何とか最後まで聞かせても、まさに右から左へ抜けてしまいます。
そりゃそうです。こういう人たちは本気で馬が可哀想と思っているわけではないのですから。「馬が可哀想」と言う自分に酔い、そういう自分を他人にアピールしたいだけなのです。
韓流捏風に吹かれた連中や、必要以上に韓国(人)に配慮したがる連中も、これと似た人が多いんだろうなあとしみじみ思う今日この頃でした。
コメント
知的好奇心
を持てない人達の思考力と全く同じですね。
まあ、まともな思考力が有れば韓流ドラマや映画にはまることは無いんだけど・・・。
鯨飲馬食(げいいんばしょく)ね。
細かいけど一応。
すばらしい!
毎回秀逸なお話ですね。
今回の例えばなし、ぜひ人に話す時に使わせてもらおうと思います。
こういう話を政治家がしてくれるとありがたいのですが、票を気にする彼らには無理ですかね‥。
牛飲馬食でもいいはずだよ。一日何リットル牛乳出すか考えたらまあ間違いじゃないわな。
今回は特に秀逸であります。知的好奇心のない、中途半端な同情心というやつがいかに迷惑かということですね。同感であります。
実際にやって、その結果のひどさを見て考えが変わってくれればいいんですが、たいてい変わりません。
もし変わったら、自分が陶酔してたのを認めることになりますから。
そして誤魔化そうと、言い訳したり、何度も謝罪したりします。
彼ら、おかしな方向にプライドが高いんですよ。
最初は「プライドなんか捨てて謝罪しろ」とまで言ってたくせに。
今朝、庭の草刈りをして、大ゴミ袋一杯に刈り草を押しこんで、明後日の可燃ごみの日に備えて日のあたる場所にゴミ袋を放置したのを思い出しました。
草刈りはマシンでやるのですが、鬱蒼とした草むらへ分け入るので、今の季節当然やぶ蚊の襲来を受けます。それを防ぐには全身防虫スプレーを隙間なく吹き付けなければなりません(当然に悪臭が鼻を付く)。それでもこの季節、10分も作業していれば汗が滴り落ちて防虫剤は流され、そこへと蚊が襲来してきます。
こうした作業をするたびに、林業関係者のご苦労を思うわけでありますが、立木トラスト運動をしておる都会の「分からず屋」には、そういう林業関係者の「間伐」や「伐採-出荷」の持つ意味なんて全くわからないのでしょう。ひょっとしたら、地域の草刈りにすら参加していない「分からず屋」なのかもしれません。
今回のエントリーを読んで、こういう感想を持ちました。ご支援になれば幸いです。
>酔う人たち
半端な配慮なんですよね、それがどういう事になるのかなんて考えもしないという。
事情を説明した上で、そういう人たちを問い詰めれば恐らくこう言いますよ。
「そんなことは知らないけど、やっぱり殺すなんてかわいそうだよ。」って。
・・・知らないって、今説明したじゃんorz という話に。
最近よく見るコピペで、次のような物が有りますが、何処に真実が?
少なくとも、技能が有る人の就労は歓迎しているはずなので全部を信じる訳にはいけませんが
一つぐらいはやってそうなのがなんとも韓国というか。。。w
韓国政府が日本人対する人種差別政策の一例
◆日本人の就職就労権の禁止
◆日本人の国民年金加入の禁止
◆日本人の住民登録の禁止
◆日本人のローンの禁止
◆日本人の身分証明書発行の禁止
◆日本人の電話回線所有の禁止
◆日本人の土地建物不動産所有の禁止
◆日本人の銀行口座、取引、預金、送金、融資の禁止
◆日本人の税金に懲罰的重税
◆日本人の公立学校入学の禁止
◆日本人の生活保護適用の禁止
◆日本人の公務員採用の禁止
家畜
「家畜にも権利がある!殺して食うとは何事か!」
と真剣に叫んでいる人もいますね。
また、「韓国併合時に日本がインフラを投入したと言うが
朝鮮から搾取するのが目的なので良いこととは言えない。
家畜のために小屋を建てているようなものだ。」
としたり顔で電波を飛ばす自称進歩的文化人もいます。
フォースの韓国面
フォースの韓国面に足を踏み込む人というのは、
タイプがある程度決まってると思います。
今回取り上げているタイプは、いわゆる無知な一般人だと思います。
このタイプは、ワールドカップ後にJリーグを急にスタジアムに見に行くような、特に女性に多い、無知なミーハーというタイプのことでしょう。
ブログ主さんが、女性なので、特にこの無知ぶりにハラタツわーと気になると思いますが、私はこのタイプはあまり気になりません。数こそ多いですが、朝鮮人の不逞ぶりのニュースを見れば、すぐに我に帰ると思うので、、、(もちろん正しい啓蒙は必要ですが、、、)
上記にグループ的に重なっている人もいますが、むしろ、めがねおばさんや、失うものなどないOLに多い、寒流ファン。完全にフォースの韓国面に落ちたダースベイダーをいかに救うかが難しいと思います。
確信犯的なこのグループを救うには、鮮人の不逞ぶりをつたえるだけではフォースの力が弱いと思います。韓国面に変わる何か別の興味がわくものを与えないといけないのではないか?と常々思っています。
何かあるでしょうか?
馬は自力で立てないと終わりです。横になれば接した部分が腐ります。同様に支えても支えた部分が・・・・。テンポイント号は親切心で体を人工的に支え治療しましたが、結局苦しむ時間を延ばしたでした。
考えてみると半島への援助やら救済も彼らに苦しみや苦難を引き延ばすだけなのかもしれませんね。
心に響くことばかりで、読んでいて何度もうなづきました。
愛馬の尻尾の毛を、長年取ってあるのですが、
あのころは、自分が朝鮮人に対してこんな対応をしなくてはならなくなるとは、微塵も思っていませんでした。
サラブレッドはときどき、すごく頭がいいのがいて、乗っているとまるで羽が生えているように思えたり、会話が成立していると錯覚することがあります。そういう馬は適応力が高いと感じてきました。だから、最期を考えると胸が潰れそうになります。
管理人様の仰る通り、運動できなくなると腸ねん転などの症状につながります。
また、競馬からやってきた馬は地面に落ちている棒をまたがずよけて歩く場合があり、これを矯正していくのは時間もかかります。
以前、動物愛護を調べたとき、経済動物、という言葉をネットで初めて知りましたが、私個人はこれは使いたくない単語の一つですね。転出した馬のその後の様子を知ろうとして、幾人にもとめられた経験からすると、あまりにも身に迫るものがあります。世の中には、生死をわける厳然たるラインが確かにあるなと思ったものでした。
朝鮮人に群がる”かわいそう集団”は、この線引きが見えない頭のおかしな人たちと思っております。
・・正直なところ、私は韓国人には配慮など必要でないとすら思っているのです。私たちが生きていく上で、相手にして利益が出るときだけお出まし頂けば良いことだと。
結局、韓国を知りたいのではなく韓流の風に吹かれていたいだけですね彼らは。メディア様も良いところしか教えてくれませんし。
彼らにしてみれば、いい気持ちで酔っぱらってるところを邪魔しに来られた訳だから、気分を害するのも当然のことかと。はた迷惑な酔っ払いは、素面の人間にとっては困りものです。
NHK これからの日韓アンケート
https://www.nhk.or.jp/korekara/nk31_nk/enq.html
>フォースの韓国面
そういった人々は”韓国化した”のではなく、最初から”韓国人風”なんだろうと思います。
物事をあまり深く考えず、感情的で権威に弱い。。。
【NHK】日本のこれから 日韓 アンケート
https://www.nhk.or.jp/korekara/nk31_nk/enq.html
8月14日 総合テレビ 午後7時30分~
ありゃ、カノヤザクラは予後不良になっていたのか
上手くすればスプリンターズステークス勝てると思ってたのだけど
この辺のかわいそう感情は、テンポイントの頃から変わってない部分で
日本人ならではの判官贔屓なのかもしれません
感情と理性の分離はある程度必要なのに、混ぜるな危険をやってとんでもない結果になってしまうんですよね
馬に関しては、ナリタブライアン辺りから、エアシャカール(ニ冠馬)やオグリキャップみたいに下手に報道に知らせないで死んだ後に報道されるようになった気がします
一番大きいのはサイレンススズカかもしれないけど
管理人さんや皆さんの意見に賛成です。
その上で、むか~し読んだ添乗員さんの話を思い出しました。
スペインで闘牛をみた女性が添乗員さんに「あの牛はなんて演技が巧いんでしょう。本当に戦っているようだ。」(うろ覚え)と言ったそうです。
日本人には家畜といえども殺す様子を見て楽しむ感性はないです。
無知や甘えでお花畑になってしまうのは良くないのですが、つい思い出してしまいました。